VidSummit13回目、フォロワー数より登録者との関係性を重視する方向に
- VidSummitの13回目の開催が9月に予定され、Netflixなど配信大手が参加します。
- 登録者数と実際の影響力のずれがテーマで、コミュニティ重視の指標が強調されています。
- チャンネル運営者は、フォロワー数以外の成長指標を考える参考になります。

登録者数と実際のコミュニティのずれ
VidSummitは、YouTubeチャンネル成長に特化したイベントとして2014年に始まりました。
13回目となる今年は9月29日から10月1日まで、米テキサス州ダラスのアービング・コンベンションセンターで開かれます。
主催者のDerral Eves氏は、YouTube成長戦略のコンサルタントで、クラウドファンディングで制作されたドラマ「The Chosen」の共同創設者でもあります。
彼は今回のイベントについて、単なるYouTubeの枠を超えた変化を感じていると話します。
Netflix、Amazon Prime、Tubi、Paramount+といった配信大手が参加するのは、戦略的パートナーシップを探すためです。
Derral氏が最も強く指摘するのは、業界が今もフォロワー数を重視するあまり、失敗を繰り返していることです。
「フォロワー数や再生数を、コミュニティにおける本当の忠誠心と取り違えています」
実際のイベントで会場に集まる人の列は、フォロワー数の大きさと一致しないことがあると彼は言います。
登録者数が多いクリエイターでも、集まるファンがまばらなケースは珍しくありません。
ブランドがそうした数値だけでクリエイターを起用すると、キャンペーンや商品の売れ行きが期待通りにならないと指摘します。
また、たとえ本当のファンがいても、そのファンが別の商品や分野に付いてくるかどうかの見極めも重要です。
クリエイターが、自分のコミュニティの関心から外れた大きな案件を受けると、自分自身もコミュニティも損なうと語っています。

登壇者の選び方は「誰から学びたいか」
VidSummitの登壇者応募は、2026年は過去の全回を合わせた数を超えたそうです。
それでも選定基準は2014年から変わっていません。
「私が学びたいのは誰か」
この視点で、YouTubeクリエイターだけでなく、エンターテインメント業界の専門家や、マオリ語の保存に取り組むニュージーランドの夫婦なども登壇者に選ばれています。
イベントは三つのトラックが同時進行する形式です。
全部を聞くのは不可能なので、録画の見逃し配信も用意されます。
Derral氏は、参加者が互いを競争相手ではなく戦略的パートナーと見なす関係性を重視しています。
登壇者が現場で得られる価値について、こう語ります。
「隣に座った人が誰か分からない。その人がどれだけの価値をもたらすかも分からない」
イベントの実践的な価値の例として、彼は前回の参加者の話を挙げました。
登録者500人で参加した人が、ある廊下での会話がきっかけで、次のVidSummitでは登壇者になり、その時点で500万人の登録者を獲得していたそうです。
AIは道具として受け入れ、コミュニティは人間の手に
VidSummit 2026には、OpenAIがスポンサーとして名を連ね、AI関連のセッションやワークショップも予定されています。
Derral氏はAIツールについて「強気だ」と話し、AIを無視する純粋主義的な姿勢には与しません。
一方で、線引きが必要なのはコミュニティの部分です。
「AIが私たちの仕事から人間らしさを奪うかどうか。そこが私の線引きです」
AIは制作や作業効率化の道具であって、対面でのコミュニティ形成や人と人とのつながりは再現できないと彼は話します。
イベントの未来について、Derral氏は規模や参加者数ではなく、参加者がその後生み出すコンテンツの質に重きを置いています。
「有名になりたいだけなら、このカンファレンスは向いていません。影響を与えたいのなら、ここは適した場所です」
実際、数百人の従業員を抱える大規模クリエイターが毎年戻ってくるのは、成長を確認し、自分が向上すべき点を見つけるためだと彼は言います。
イベントは「The Chosen」や「The Amazing Digital Circus」のように、そこで生まれた人脈から大きなプロジェクトが生まれた実績があります。 The Amazing Digital Circusは、劇場公開だけで3700万ドル(約59億円)を売り上げました。
今年のイベントが何を生むかは、これまでと同じ条件にかかっていると彼は話します。
「正しい人々が正しい部屋に集まり、足りないピースを得るための正しい会話ができるかどうか」
出典: Net Influencer
自分のチャンネルにどう影響するか
まず、フォロワー数だけで自分の影響力を測っていないか確認してください。
再生数が同じでも、コメントや高評価、繰り返し視聴してくれる人の存在が、商品販売やコミュニティの反応に直結します。
登録者数や再生数の伸びに加えて、ファンイベントを開いたときの集客、動画へのコメントの質、特定のテーマでの視聴維持率など、コミュニティの強さを測る別の指標を持っておくと、案件交渉や企画判断で振り回されにくくなります。
新しい商品やチャンネルの方向性を決めるとき、視聴者が本当に関心を持つ範囲かどうかを先に確かめてください。
アンケートを取る、関連動画の反応を見る、小規模なテスト配信をするなどして、フォロワー数を前提にした思い込みを避けることができます。大規模な登録者を持つチャンネルだけが学べる場ではなく、参加者の実践的な知識交換の場として、カンファレンスや勉強会での対面のつながりを活用してみてください。
あなたのチャンネルに足りない知識や人脈が、思いがけない会話から得られるかもしれません。

コメント
まだコメントはありません。最初の1件をどうぞ。