YouTube新視聴回数、実際のエンゲージを40%過大評価。Agentio調べで判明
- YouTubeが先月から長尺動画の視聴回数を再生開始時点でカウントする方式に変更しました。
- 公開視聴回数の4割は実際にはエンゲージ視聴に入らないというデータが示されました。
- 特に小規模チャンネルや技術系・ゲーム系コンテンツで過大評価が大きくなっています。

公開視聴回数と実態の差がデータで明らかに
YouTubeは先月、長尺動画の視聴回数のカウント方法を変更しました。
従来は一定時間視聴して初めて「視聴者」とみなしていましたが、今は動画の最初のフレームが読み込まれた瞬間に視聴回数としてカウントされます。
この新しい公開視聴回数は、実際のエンゲージメントをどれだけ過大評価しているのか。
クリエイター向け広告プラットフォームのAgentioが、自社ネットワークの75,000本以上の動画を調査しました。
結果は明快です。
公開視聴回数のうち実際にエンゲージ視聴としてカウントされるのは平均で6割でした。
残り4割は「視聴者に届いたが、注目を集めなかった」とAgentioは分析しています。
調査対象の動画全体では、公開視聴回数が約5億4,900万回だったのに対し、チャンネル分析で確認できるエンゲージ視聴は3億3,000万回。
約1.67倍の開きがあります。
Tubefilterの記事で報じられています。

チャンネル規模やジャンルで過大評価の度合いは変わる
視聴回数の水増し具合は、チャンネルの規模で大きく異なります。
Agentioのデータでは、登録者5万人未満の「マイクロチャンネル」では公開視聴回数が実態より85%多く表示されています。
一方、登録者30万人以上の「マクロチャンネル」では49%の過大評価にとどまりました。
「効率を求めて小規模クリエイターを起用する場合、公開視聴回数で見るCPM(1000回表示あたりのコスト)は最も誤解を招きます」とAgentioはブランド側に注意を促しています。
ジャンル別では、教育がエンゲージ視聴率63%で最も実態に近く、以下、エンターテインメント・文化60%、フード・ドリンク59%、ファッション・ビューティー・ライフスタイルが57%、ゲーム56%、フィットネス52%と続きます。
最も低いのはテクノロジーで、エンゲージ視聴率は46%でした。
ホーム画面などの自動再生が大きく影響
過大評価の大きな要因は、ホーム画面でのホバー自動再生や「次のおすすめ」の自動再生などのフィード面です。
Agentioによると、こうした面での再生が公開視聴回数の38%を占めますが、そのうちエンゲージ視聴になるのはわずか20%。
公開視聴回数とエンゲージ視聴の差の77%が、このフィード面で生まれているといいます。
誤クリックだけで言えば、クリックのうちエンゲージ視聴につながるのは85%で、むしろ自発的なクリックは正確にカウントされています。
YouTubeはこの変更について「長尺・ショート形式で指標を統一し、クリエイターが総合的な露出を明確に把握できるようにするため」と説明していました。
しかし、公開視聴回数でブランド案件の判断をすると、広告主は過大な評価に基づいて支払いをすることになりかねません。
Agentioは「公開視聴回数に基づいてブランドがクリエイターと提携すると、67%過大に支払う可能性があります。公開視聴回数でのCPM30ドルは、エンゲージ視聴での実質50ドルに相当します」と指摘しています。
自分のチャンネルにどう影響するか
公開視聴回数が実態より多く表示されることを前提に、ブランド案件の交渉や実績報告を行うと、あとで「思っていたより効果がなかった」と評価されるリスクがあります。
自分のチャンネルの公開視聴回数と、YouTube Studioのエンゲージ視聴数を比較してみてください。
特に登録者5万人未満のチャンネルは、公開視聴回数が実態より85%多く表示されるケースがあるため、実績を説明する際はエンゲージ視聴の数字を併記すると安全です。ブランド案件の提案資料を作るときは、公開視聴回数だけでなく、エンゲージ視聴率(エンゲージ視聴数÷公開視聴回数)を提示する習慣をつけましょう。
案件単価を決める際の根拠が明確になり、広告主とのトラブルを避けられます。動画のジャンルがテクノロジーやゲームの場合は、エンゲージ視聴率が低めに出る傾向があります。
視聴維持率を上げるために、冒頭のつかみを強化するなど、編集面での対策を優先して考えるとよいでしょう。

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