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YouTubeの縦型ショートドラマ、半年65億回でテレビの再生は9割増

  • YouTubeがMade on YouTubeで公表した数字によると、縦型ショートドラマの再生は2026年上半期に65億回で前年から50%増、テレビ画面での再生は前年比9割増でした。企業がショートドラマに出す広告費の動きも整理します。
  • YouTubeは2年以上、米国のテレビ画面で最も見られている動画の配信元です。スマホの視聴時間をショートドラマ専門アプリに奪われるなか、テレビと縦型を組み合わせて広告予算を取り込む狙いがあります。
  • 縦型の連続企画を作っているチャンネルにまず効きます。企業がショートドラマをシリーズ単位で発注する流れは、案件の形を動画1本から変えたい運営者にも関係します。
画像はイメージです

YouTubeの縦型ショートドラマ、上半期で65億回

2026年の公式イベント「Made on YouTube」で、YouTubeが公表した数字です。
1本が30秒から3分ほどの縦型ドラマ、いわゆるショートドラマの再生回数が、2026年の上半期だけで65億回に達しました。
2025年から50%増えています。
10回見られていたものが15回になった計算です。

半年で65億回なので、1日あたりに直すと約3,600万回が再生されていることになります。
出典はTubefilterです。

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テレビ画面でのショートドラマ再生、前年比9割増

もっと大きな動きがテレビです。
テレビ画面で見られたショートドラマの再生回数は、2026年の上半期に前年同期比で9割以上増えました。
前年に10回だったものが19回になった計算です。

YouTubeは2年以上、米国のテレビ画面で最も見られている動画の配信元です。
動画配信サービスもケーブルテレビも放送局も、視聴時間ではYouTubeが上回る状態が続いています。
YouTubeはこの立場を材料に、これまでテレビ局が持っていた広告予算を取り込もうとしてきました。

そこにショートドラマが乗ります。
ReelShortやDramaBoxといったショートドラマ専門アプリは、NetflixやAmazon Prime Videoからスマホの視聴時間を奪っています。
テレビでの強さと縦型の短い形式を組み合わせれば、その流れの上に立てるという読みです。

Shorts Seriesはテレビの外にも広がる

YouTubeは2025年8月、長尺の動画をエピソード順に並べる「Shows」という機能を出しています。
Shorts Seriesはこれとよく似た仕組みで、動画を時系列のエピソード集にまとめ、1本見終わると次へ流れるように作られています。

Shorts Seriesはテレビだけで動く機能ではありません。
YouTubeパートナープログラム(広告収益を受け取れるクリエイターの枠組み)の参加者が、パソコンとスマホでも使えるようになります。
提供が始まる時期は原文に書かれていません。

なぜテレビ向けに作ったのか。
リビングルーム担当プロダクトディレクターのカート・ウィルムズ氏が、舞台でこう説明しています。

テレビでShortsを見る理由を聞くと、みんなが最初に言うのは、友人や家族と一緒に良い形で見る方法がない、ということでした。
テレビは、それまでできなかった形でShortsをみんなで見る体験に変えました。

同氏によると、YouTubeは当初、Shortsをテレビに持ち込むこと自体、まして連続再生の専用プレイリストを用意することも想定していなかったそうです。
視聴者とクリエイターに聞いて回ったときに返ってきた「家族や友人と一緒に見る方法がない」という声が起点になりました。
置き場所が変わると、同じコンテンツの見られ方も変わるという説明です。

Shorts担当シニアプロダクトディレクターのディナ・ベラダ氏は、一口サイズのコンテンツが好みに合わせて出てくる流れが好調だと述べています。
Shortsもショートドラマもその中心で、人は1日の休憩時間を、複数の画面で娯楽として過ごしているという見方です。

企業はショートドラマを再生回数で測っていない

Made on YouTubeの発表とは別に、Digidayが広告主の動きを報じています。
広告主はショートドラマを、分断されたデジタルの世界で買い手の注意をつかむ手段として見ています。
ショートドラマアプリは他のどのカテゴリのアプリより多くの広告を出しており、広告枠を買うだけでなく自社で番組を作るブランドも出ています。

電通でエンターテインメントとIP戦略、ファイナンスを担当するEVPのジュネバ・ワッサーマン氏は、ブランドはショートドラマ広告の効果を再生回数ではなく、自然に発生した話題の量で判断していると話しています。
20万回再生で200万ドル(約3億2,000万円)の宣伝効果を生んだシリーズは、50万回再生されても話題にならないシリーズより価値が高い、という基準です。

従来の指標は実態を誤解させます。

ワッサーマン氏はそう言い切ったうえで、見るべきなのは「そのコンテンツが視聴の外側に、文化としての信用を生むかどうか」だと述べています。

家具会社の自作ドラマは1.52億回、売上14億円

一例としてDigidayが挙げているのが、家具販売のBob's Discount Furnitureです。
2025年夏に自社のショートドラマ「Till Decor Do Us Part」を配信し、1.52億回の再生と、売上900万ドル(約14億4,000万円)分の効果があったと同社は主張しています。
この結果を受けて、今週シーズン2を公開しました。

同社のCMO、スティーブン・ネスレ氏は、再生数と売上の数字について「注意と好意の両方を築けている強い兆候だ」とDigidayに語っています。

テレビ画面と縦型の連続もの、この2つが揃ったときに数字が伸びているのが今回の内容です。
企業がシリーズ単位で予算を付けるようになれば、案件の単位も動画1本から変わっていきます。

自分のチャンネルにどう影響するか

ショートドラマの数字は、縦型の連続企画を作っているチャンネルに直接効きます。
テレビ画面での伸びは、スマホ前提で編集してきた人ほど前提を置き直す材料になります。

  1. 縦型で連続ものを出すなら、1本目の終わり方を先に決めておくと、あとで並べ替える手間が減ります。
    伸びている作りは、自動再生で次の話へ流れることを前提にしています。
    30秒でも2分でも、最後の数秒で次を見たくなる状態を作れているかを見ておくといいです。

  2. 案件の提案単位を、動画1本から3〜5本の連続ものに広げる余地があります。
    電通のワッサーマン氏が示した基準では、ブランドは再生回数ではなく公開後に自然発生した話題で効果を判断しています。
    企画書に再生数の見込みだけでなく、公開後にどんな反応が外へ広がりそうかを添えておくと、判断する側の材料が増えます。

  3. テレビでのShortsは家族や友人と一緒に見る場面で伸びた、とウィルムズ氏は説明しています。
    ひとりでスマホを見る前提の編集が、テレビでも同じように効くとは限りません。
    連続ものを出す前に、自分のチャンネルをテレビアプリで一度通して見ておくと、画面の大きさの違いに気づけます。

出典

  1. YouTube wants you to pump its TV watch time with microdramasTubefilter

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