ElevenLabsの新音声モデルv4、90言語対応で10分の読み上げを1回で生成
- ElevenLabsが音声合成モデルEleven v4を公開しました。1回の指示で最大1万文字(約10分)の音声を作れ、対応言語は約70から90超に増えています。長尺の読み上げや吹き替えで、途中から声が変わらない点を狙った作りです。
- 長尺を分割して作るときに声が変わる事故が減り、1本の動画を多言語に広げる工程も現実的になります。読み上げと吹き替えを外注しているチャンネルには、比べる物差しが1つ増えます。
- 長尺のナレーションや吹き替えを外に出しているチャンネルにまず関係し、多言語展開を考えている運営者や、自分の声を資産として預けることを考える人にも判断材料になります。

ElevenLabsのv4、1回で最大10分の音声を作る
ElevenLabsが音声合成モデルEleven v4を公開しました。
海外メディアのThe Decoderが伝えています。
1回の指示で扱えるのは最大1万文字で、これはおよそ10分の音声にあたります。
長尺動画1本のナレーションを、細かく区切らずに作れる量です。
台本にはタグを書くか、普通の文章で指示を出すかして、行ごとに感情や間の取り方、効果音を指定できます。
笑い声やささやき、ドアが閉まる音のような効果音も、前のバージョンより確実に出るようになりました。
人名や専門用語は、発音どおりにつづって読み方を指定します。
運用で効くのはここです。
同じ行を何度も作り直しても、作品を通して声が変わらない設計になっています。
ナレーションもキャラクターも、長い作品の途中で別人のようにならない、という説明です。

対応言語は70から90言語超に、吹き替えでも声が変わらない
対応言語はv3の約70から90超に増えました。
クローンした声は、別の言語を話させてもその言語のネイティブに近いアクセントで話します。
時間が経つうちに元のアクセントへ戻ってしまう、ということが起きにくくなりました。
v3では使えなかったプロ向けの声のクローンが再び使えるようになり、10秒の音声から作る簡易版のクローンも用意されています。
吹き替えでは、同じ演者の声をすべての対応言語で使える点が売りになっています。
ElevenLabsは声を本人からライセンスして使っている立場です。
日本語が対応言語に含まれるかは原文に明記されていません。
リアルタイム用のTurboは150ミリ秒で話し始める
問い合わせ対応やゲームのキャラクターなど、その場で返す用途に向けたTurboも同時に出ました。
ElevenLabsの測定では、音声が出始めるまでが150ミリ秒です。
0.15秒で返し始める速さで、会話の間に「間」を感じさせない水準になります。
比較したCartesia Sonic 3.6は262ミリ秒、OpenAIのGPT-4o mini TTSは814ミリ秒でした。
Artificial AnalysisのProvider Voice Arenaでは、Cartesia Sonic 3.6とGoogleのGemini 3.8 Flash TTSを上回りました。
発音の正しさを測る指標は91.7%で、v3の85.6%から6ポイント上がっています。
ElevenLabsのブラインドテストでは、比べた相手によって10回のうち6〜8回でv4のほうが表現豊かだと評価されました。
Cartesia、Inworld、Googleのモデルとの比較では、4人中3人ほどの聴取者がv4を選んでいます。
料金は100万文字80ドル、10月12日まで22ドル
APIの通常料金は100万文字あたり、v4が80ドル(約1万2,800円)、Turboが40ドル(約6,400円)です。
1万文字が約10分なので、100万文字はおよそ16時間40分ぶんの音声になります。
長尺の読み上げを量産するなら、この単位で見積もります。
10月12日までは同じ量が22ドル(約3,520円)と11ドル(約1,760円)に下がります。
月22ドル(約3,520円)のCreatorプラン以上の加入者は、2週間は追加料金なしでElevenCreativeの中でv4を使えます。
使える量は月のクレジットの2倍が上限です。
Artificial Analysisが示すCartesia Sonic 3.6は100万文字49ドル(約7,840円)、Gemini 3.8 Flash TTSは16.49ドル(約2,640円)です。
v4とTurboは今すぐElevenAgents、ElevenCreative、APIで使えます。
声そのものを貸し出す仕組み、声優に収入が入る
ElevenLabsは声を本人からライセンスして使う仕組みを用意しています。
声優は自分の声をしっかり学習させたクローンをElevenLabsのライブラリに置き、有料のユーザーがそれを使うと収入が入ります。
マイケル・ケインのような著名人の声も、専用のマーケットプレイスで提供されています。
自分の声を資産として預ける側に回れる、という話でもあります。
ナレーションを誰かに頼んでいるチャンネルにとっては、借りる側の選択肢が1つ増えました。
顧客データは既定で米国に保管され、企業向けにはEU・インド・シンガポールの隔離環境が用意される、というところまでが原文に書かれている範囲です。
YouTube制作では読み上げと吹き替えの工程に入る
読み上げと吹き替えが、このツールの主な使いどころです。
1回で10分ぶんを作れるので、長尺のナレーションを短い単位に分けて何度も録り直す手間が減ります。
同じ声が作品の最後まで保つ設計なので、シリーズものを分割して作るときに声が変わる事故が起きにくくなります。
多言語の吹き替えを作るとき、元の演者の声を別の言語でもそのまま使える点は、1本の動画を別の言語圏に広げる工程で効きます。
日本語の動画を他言語に吹き替える場合も、考え方は同じです。
リアルタイムのTurboは、ライブ配信で視聴者にその場で答えを返す企画や、実況に重ねるキャラクターの音声に向いています。
録画した動画に編集で当てる読み上げとは用途が別なので、同じチャンネルで両方を使うなら、どこでどちらを使うかを決めてから触るほうが迷いません。
日本での提供条件や商用利用の可否は原文に書かれていません。
料金とデータの扱いは各公式サイトで確認する必要があります。
※円換算は1ドル=160円(2026年8月時点の目安)です。
自分のチャンネルにどう影響するか
吹き替えやナレーションを外に出しているなら、自分の原稿量を文字数で数えておくと、この料金表が高いか安いかを自分の数字で判断できます。
100万文字が約16時間40分ぶん、という換算が物差しになります。
- 長尺の読み上げに使うなら、月に何万文字ぶんの原稿を書いているかを一度数えておきます。
100万文字あたり80ドル(約1万2,800円)が高いかどうかは、その量と並べて初めて分かります。 - 多言語の吹き替えを視野に入れるなら、自分の声をクローンとして預けてよいかを先に決めておくと、あとでライセンスの話で止まりません。
原文には、声優が声をライブラリに置いて収入を得る仕組みまで書かれています。 - ライブ配信でリアルタイムの音声を使うなら、録画のナレーションとは別の工程として切り分けておくといいです。
150ミリ秒という数字は、その場で返す用途のために用意されたものです。

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