再生回数の数え方変更、世界トップ50では視聴は想定ほど増えず
- YouTubeが8月に再生回数を再生開始時から数える方式へ変えました。ところが世界のトップ50チャンネルでは視聴数の急増が起きておらず、週間10億回の大台に届くチャンネルも出ていません。数字と実態のずれを解説します。
- 広告主に見せる再生回数は水増しされる一方、実際の視聴は頭打ちです。ブランド案件の交渉で数字をどう読むかの参考になります。
- 案件営業やスポンサー提案で再生回数を実績として提示する運営者と、トップ50のような大規模チャンネルの動向を知りたい運営者に関係します。

再生回数の数え方は8月に変更済みです
YouTubeは8月24日から、再生回数を動画の再生開始時点でカウントする方式に変更しました。
以前は「一定時間以上見られた」ことが条件でしたが、今は最初の1フレームが表示された時点で1回と数えます。
この変更について、YouTubeは「数字を増やすことで、クリエイターがブランドとの交渉で有利になるようにしたい」と説明しています。

世界のトップ50では視聴数が大きく伸びていません
Tubefilterが9月6日までの1週間分を集計したランキングによると、世界で最も見られているチャンネルの顔ぶれに大きな変化はありませんでした。
首位のT-Seriesは週間9億3,040万回で、前週から19%増えていますが、週間10億回には届いていません。
トップ10のうち3チャンネルは、前週より再生回数が減っています。
トップ50全体でも、数え方の変更による大幅な視聴数の底上げは起きていないと同メディアは報じています。
前回の基準緩和では10億回が複数出ました
YouTubeが視聴回数の基準を緩めたのは今回が初めてではありません。
2025年3月には、Shortsの再生回数をカウントするために必要な視聴時間の基準が大幅に引き下げられました。
そのときは、週間10億回を超えるチャンネルが複数出ました。
今回はその後の状況が違います。
トップクラスのチャンネルは前回の変更で視聴回数を伸ばし尽くしており、すでに特定のコミュニティで深く浸透しているため、新たに獲得できる視聴が残っていないという見方をTubefilterは示しています。
インドとパキスタンのチャンネルが6割を占めます
トップ50のうち、インド拠点が27チャンネル、パキスタン拠点が3チャンネルです。
合わせて6割を占めています。
パキスタンのチャンネル「Shero Bhai」は、最初の1フレーム以降も視聴者が見続けるように素早いカットを多用していると紹介されました。
同チャンネルの週間再生回数は、YouTubeがカウント方法を調整するたびに増減しています。
今回は2024年に入って2度目となる週間3億回超えを記録しました。
数字が増えても収益には直結しません
ここが重要です。
再生回数の増加は必ずしも収益増加にはつながりません。
実際、広告代理店向けツールのAgentioは、YouTubeの新しい再生回数が実際のエンゲージメントを約40%過大評価していると報告しています。
つまり、同じ「10万回再生」でも、以前の基準なら実際に10万回見られた可能性が高いのに対し、今はそのうち約6万回しか本当に見られていない可能性があります。
ブランド案件の交渉では、このずれを意識しておくといいです。
自分のチャンネルにどう影響するか
案件の実績報告を出すときは、再生回数単体ではなく、視聴維持率や高評価・コメントなど反応の数字とあわせて見せると、水増しされた数字に依存しない提案になります。
Shortsを中心に運用しているチャンネルは、2025年3月の基準緩和で視聴回数が伸びた後、今回の変更ではそれほど伸びていない点を認識しておきましょう。
同じ「伸びた」に見えても、内訳は前回と今回で違う可能性があります。
最新の週間ランキングでどこのチャンネルが伸びているかを見るときは、国や地域の偏りも参考になります。
インド・パキスタン拠点が6割を占める現状は、ターゲット視聴者の地域によっては、自分のチャンネルがトップ50と同じ土俵で競っていないことを意味します。

コメント
まだコメントはありません。最初の1件をどうぞ。