DisneyがYouTube発キッズブランドと契約、登録者4.5億人の動画を取得
- DisneyがYouTube発キッズブランドのLike Nastyaと契約し、新作アニメの開発と既存動画の配信権を手に入れます。YouTubeの2025年売上は620億ドル(約9兆9,200億円)で、Disneyのメディア部門を上回りました。
- 番組を自前で作って当てにいくより、視聴者をすでに持つチャンネルと組むほうが速いという判断です。Gracie's Cornerの契約では、動画をYouTubeに残すことが交渉の中心条件になりました。
- キッズ・教育・音楽系のチャンネルを運営する人にまず関係し、過去作を別の収入に変えたいチャンネルにも同じ交渉の型が使えます。

DisneyがYouTube発キッズブランドと契約、登録者は25チャンネルで4.5億人
Disneyが、YouTubeから育ったキッズブランドLike Nastyaとコンテンツと開発の契約を結びました。
米メディアのDeadlineを引いてNet Influencerが伝えています。
契約には、Disney Jr.とDisney+向けの未就学児向けオリジナルアニメの開発が入ります。
子ども・ティーン・家族向けの新作実写コンテンツも作ります。
Disneyは既存のLike Nastyaライブラリから選んだ動画の配信権も手に入れました。
新作も既存作も、Disney+をはじめDisneyが持つ各サービスで展開されます。
Like Nastyaは22言語、25チャンネルで、登録者の合計は4億5,000万人を超えます。
2016年に1本のチャンネルとして始まりました。
いまは子ども向けの歌、教育エンタメ、開封動画、Vlog、ロールプレイが中心です。
収入の柱も動画広告だけではありません。
音楽、ライブイベント、物販、ゲーム、ライセンス、企業案件、配信と広げてきました。

Gracie's Cornerでは動画をYouTubeに残す条件が交渉の中心だった
DisneyがYouTube発のクリエイターと組むのは今回が初めてではありません。
2026年に入って、Dhar Mann Studiosとのオリジナルコンテンツ契約、Toddler RavesとToddler TechnoのLenny Pearce、Gracie's CornerのYouTubeチャンネルと相次いで契約しています。
なかでもGracie's Cornerの契約は、条件の組み方が具体的です。
Disneyは未就学児向けアニメシリーズの世界の配信権を取得しました。
対象は、登録者630万人、累計再生回数100億回近く、120本を超えるショートと18本のテーマ別まとめです。
制作側には新作を開発する契約も結んでいます。
押さえておきたいのは、Disney+とDisney Jr.に展開したあとも、動画はYouTubeで見られる状態が保たれた点です。
制作者のJavoris Hollingsworthは、YouTubeに残すことが交渉の中心だったと説明しています。
配信サービスに出すと元のチャンネルから動画が消える、という条件は受けなかったわけです。
Disney Branded Televisionの社長Ayo Davisは、この契約を、子どもたちが何度も戻ってくる音楽主導の参加型体験を分かっているクリエイターと組む取り組みの一環だと位置づけています。
YouTubeの2025年売上は620億ドル、Disneyのメディア部門を上回る
契約が増えている背景には、子どもの視聴がどこで起きているかの変化があります。
金融調査会社MoffettNathansonによると、YouTubeの2025年の売上は620億ドル(約9兆9,200億円)で、Disneyのメディア事業の609億ドル(約9兆7,400億円)を上回りました。
Disneyの数字は体験部門を除いたものです。
同社はYouTubeの企業価値を5,000億〜5,600億ドル(約80兆〜89兆6,000億円)と見ています。
Digital Voicesの調査では、米国のGen Alpha(幼い子ども世代)の90%がYouTubeで届く範囲にいます。
10人のうち9人です。
ほかのどのプラットフォームより多く、インフルエンサーの薦めは家族や友人の助言とほぼ同じ重みで受け止められています。
作り負かそうとするより、視聴者ごと迎えるほうが速い
無料で見られるYouTube発のキッズコンテンツと視聴者を奪い合うスタジオにとって、その視聴者をすでに持っているクリエイターと組むほうが近道になります。
一から同じ規模の番組を作って当てにいくより、確実です。
NetflixもMs. RachelやMark Roberといったクリエイターを迎えて成果を出しています。
DisneyはTikTokとも、この種の契約としては初めてとなる世界規模のコンテンツ共有契約を結びました。
チャンネル運営の側から見ると、意味は逆向きです。
数十万人から数億人まで視聴者を抱えたチャンネルは、いまや提携や買収の対象です。
とくにキッズ・教育・音楽系は、テレビや配信の会社が欲しがる層をすでに持っています。
Like Nastyaの契約金額は公表されていません。
アニメの公開日も未定で、既存ライブラリのうちどれだけをいつからDisney+に出すのかも明らかにされていません。
日本での提供時期や対象地域も原文には書かれていません。
自分のチャンネルにどう影響するか
日本でこの規模の契約はまだ珍しいですが、考え方は小さくても使えます。
- 過去作を外部にライセンスするときは、「YouTubeにも残す」を条件に入れておくと、元のチャンネルの流入を落とさずに別の収入を足せます。
Gracie's Cornerはそこを譲らなかった例です。 - 収入の柱を動画広告1本にしない設計を、いまのうちに書き出しておくと、声がかかったときに何を出せるか即答できます。
Like Nastyaは音楽・ライブイベント・物販・ゲーム・ライセンス・企業案件まで広げています。 - キッズ・教育・音楽のジャンルなら、視聴者の年齢層と到達数を数字で言えるようにしておくと、テレビや配信の会社との話が進みやすくなります。
登録者数だけでなく、どの年齢層が見ているかと1本あたりの再生回数を用意しておくといいです。

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