法務・判例

ゲーム音楽のGameChops、著作権の削除申請100件超でチャンネル存続の危機

  • ゲーム音楽のカバーやリミックスを出すGameChopsのチャンネルが、著作権の削除申請を100件以上受けました。
  • 画面上では著作権の警告が26件になり、24時間以内に異議を出さないとチャンネルが消える状況でした。
  • 争点は、カバーの許諾でリミックスやマッシュアップまで認められるかどうかです。
画像はイメージです

100件を超える削除申請が一度に届いた

ゲーム音楽のレーベル「GameChops」のYouTubeチャンネルが、削除の危機に立たされています(Dexerto)。
創設者のDJ Cutman(本名クリス・デビッドソン)によると、DMCA削除通知(米国の著作権法にもとづく、著作権侵害を理由にした削除申請)を100件以上受け、YouTubeの管理画面では著作権侵害の警告が26件になりました。

YouTubeの著作権削除の仕組みは米国の著作権法に沿って運用されているため、日本のチャンネルにも同じ手続きが適用されます。
YouTubeのルールでは、有効な警告が3件たまったチャンネルは削除の対象です。

Cutmanは「24時間以内に100件超に異議を出さないと、チャンネルが消えて永久に利用停止になる」と書き込みました。
その後YouTubeが期限を9月21日(月)まで延ばしています。

GameChopsは2010年から活動していて、登録者は60万人を超えます。
ポケモン、ゼルダ、Undertale、Deltaruneなどのカバーやリミックスを出してきました。
今回は約50組のアーティストの曲が同時に影響を受けたそうです。

画像はイメージです

争点は「カバーの許諾でどこまで認められるか」

削除を申し立てたのは音楽出版社のMateria Musicです。
GameChopsの曲や動画数百本について、カバー、リミックス、マッシュアップ、ブートレグ(非公式の音源)、サウンドトラックの抜き出しが許諾なしで出されていると主張しています。
一部のカバーには録音のための許諾が足りず、リミックスやサンプリングなどの二次的な作品には別の許可が要る、という立場です。
削除の前に1年以上、非公開で解決を試みたとも述べています。

Cutmanは、カバーの許諾は取っていると反論し、UndertaleとDeltaruneの許諾一覧を示しました。
削除された動画には、もともと収益を権利者と分け合う設定がかかっていて、権利者はすでに収入を得ていたとも主張しています。

Dexertoによると、配信代行サービスのDistroKidは、曲を大きく変えずに録音し直す普通のカバーには標準の許諾が使える一方、リミックスやマッシュアップ、サンプリングは対象外で、権利者の別の許可が要ると説明しています。
ここが両社の食い違いの中心です。

収益分配がついていても削除はありうる

今回の事例で目を引くのは、権利者と収益を分け合っていた動画でも削除申請の対象になった点です。
Cutmanは「GameChopsが消えたら、次は誰なのか」と話しています。

自分のチャンネルにどう影響するか

  1. 動画に使っている曲が「カバー」なのか「リミックス・マッシュアップ」なのかで、必要な許可は別物です。
    ゲーム音楽やアニメ曲のアレンジを扱うチャンネルは、手元の許諾がどちらまで含むかを書面で確かめておくと安心です。

  2. 収益を権利者と分け合う設定がついている動画でも、削除申請と警告は別に来ます。
    「収益が権利者に流れているから大丈夫」とは考えないほうが安全です。

  3. 削除に異議を出す手段として、YouTubeには異議申し立て(誤りによる削除の復元を求める法的な手続き)があります。
    警告が一度に何十件も来たときは、GameChopsのように期限の延長を求める余地もあります。

出典

  1. GameChops YouTube channel faces deletion over 100 copyright takedownsDexerto

コメント

まだコメントはありません。最初の1件をどうぞ。

投稿された内容とお名前はこのページに公開されます。個人情報や、他の方を傷つける内容は書かないでください。 URLを含むコメントは投稿できません。内容によっては予告なく削除することがあります。