YouTubeの動画比較テストは公開直後だけ、MKBHDがコメントのずれを指摘
- YouTubeが発表した動画本編の比較テストについて、MKBHDが「最も危険な発想」と批判しました。対象は似たカットに限られ、テストできるのは公開直後の動画だけという条件も明らかになっています。
- 同じ動画でも見る人によって別のカットが届くため、コメントの時間指定や視聴者どうしの共通体験が崩れます。視聴維持率だけを追う作り方に寄っていく点も指摘されています。
- 冒頭のつかみを複数案で試したいチャンネルと、コメント欄の時間指定や考察を企画の軸にしているチャンネルに影響します。

MKBHDが「最も危険な発想」と批判
YouTubeは直近のMade on YouTubeで、動画本編の比較テストを発表しました。
同じ動画の別バージョンを出し、YouTubeが実際の視聴者に配って反応を比べる機能です。
同じ場ではカスタムホームページ、ライブ配信の新機能、ShortsのAI編集ツールも発表されています。
この機能に反応したのが、Marques Brownlee(MKBHD)さんです。
YouTubeの最近の変更には役に立つものもあると認めたうえで、動画そのものを複数版で試すことについてはこう言っています。
this latest one, in my opinion, is their craziest, riskiest, and possibly worst idea yet
これまでで最も無茶で、最もリスクが高く、おそらく最悪のアイデア、という評価です。
この発言はDexertoが報じました。

同じ動画でも、見る人によってカットが変わる
これまでYouTubeが提供してきたテストは、サムネイルとタイトルが対象でした。
動画そのものは、誰が見ても同じ1本です。
新しいテストはその前提を外します。
クリエイターは冒頭のつかみや編集を変えたカットを最大3本までアップロードできます。
YouTubeが視聴者を振り分け、どのカットがいちばん長く見られたかを比べます。
クリエイターは3本ぶんの視聴維持率グラフを見比べ、最後に残す1本を選びます。
YouTubeは、冒頭のつかみや編集を試して長く見られる版を選べるようにする機能として説明しています。
コメントのタイムスタンプはずれるのか
MKBHDさんが挙げた疑問は、作り手ではなく見る側にあります。
自分が見ている動画がテスト対象だと分かるのか。
コメント欄を読むとき、その書き手がどの版を見たのか分かるのか。
コメントに「3:20のところが好き」と書いてあっても、自分の版が違えばその時刻は別の場面を指します。
テスト中に見た版と、テストが終わってから残った版が違うこともあります。
テストに勝ったカットがそのまま永久版になり、負けた版を見ていた人はあとから別の動画に置き換わる形です。
There's this sort of unspoken rule of community on YouTube that, like, we're all having the same experience together.
MKBHDさんは、全員が同じ動画を見ているというYouTubeの暗黙の前提が崩れる、と指摘しています。
対象は似たカットだけ、類似度で判定する
MKBHDさんはYouTubeのエンジニアに話を聞いています。
それによると、YouTubeはアップロードされた動画を意味解析モデルにかけ、複数カットがどれだけ似ているかを採点する計画です。
点数が一定以上に高いカットだけがテストの対象になります。
中身の違う別動画を2本ぶつける抜け道をふさぐ狙いです。
この仕組みはエンジニアから聞いた話で、YouTubeが仕様として公表したものではありません。
原文でもそこは区別されています。
比較テストができるのは公開直後の動画だけ
もう1つの制限は時期です。
テストできるのは新しい動画を公開した直後の期間だけで、過去の動画を掘り出して別カットと入れ替える使い方はできません。
伸び悩んだ過去動画を後から作り直す用途には使えない、ということです。
維持率が上がるカットが、良い動画とは限らない
MKBHDさんは、この道具が返す答えの中身にも触れています。
99.9%のクリエイターにとって、これは動画を良くする道具ではない、という言い方です。
クリエイター1,000人のうち999人が当てはまる、という意味になります。
it's not actually helping you make better videos. It's helping you find which version of your video has the best retention, which doesn't necessarily mean it's a better video.
返ってくるのは、どの版がいちばん長く見られたかです。
長く見られた版が、内容として良い版であるとは限りません。
拡大は来年初め、日本での時期は原文になし
MKBHDさんによれば、動画本編の比較テストは来年初めに広く展開されます。
具体的な日付は明らかにされていません。
日本での提供開始時期も原文には書かれていません。
公開直後にしかテストできないという条件は、撮影前に冒頭の候補を複数用意しておくチャンネルと、1本を作り込んでから出すチャンネルで、使い勝手が分かれるところです。
自分のチャンネルにどう影響するか
テストを打てるのは公開直後の一度きりなので、公開後の修正で間に合わせる進め方は使えません。
いま決めておけることは3つあります。
冒頭のつかみの候補を、構成表の段階で2〜3案に分けて書いておくと、テストが開放された日にそのまま使えます。
1本に絞ってから撮り始めたチャンネルは、機能が来ても比べる相手がいません。コメントの時間指定やチャプターを企画の軸にしているなら、テスト中は版が分かれることを前提に告知文を用意しておくと、視聴者からの指摘に慌てずに済みます。
過去動画の作り直しはこの機能の対象外です。
伸び悩んだ動画はサムネイルやタイトルの差し替え、概要欄や固定コメントの更新に振り分けておく。
既存のサムネ・タイトルのテストは今までどおり使えます。

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