事例・戦略

YouTube運営と案件営業の代行にWMEが参入、動画会社にも出資

  • 米国の大手タレント事務所WMEが、YouTubeチャンネルの運営と案件営業を代行する新部門「Creator Labs」を立ち上げました。動画戦略会社Astra Mediaへの出資と営業チームの拡大も進め、企画から投稿、スポンサー獲得までを請け負う体制です。
  • エージェンシーが扱う相手は、案件に割り当てる人材から、資本と運用を必要とするメディア企業の創業者へと移っています。6月にはCAAも2.5億ドル(約400億円)の買収ファンドを立ち上げました。
  • チャンネル運営や案件営業を外に任せることを考えている運営者にまず関係します。投稿やスケジュール管理まで渡せる半面、登録者や権利を誰が持つかを決めておく話になります。
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WMEがYouTube運営の代行部門を新設

米国の大手タレント事務所WMEが、社内にデジタル運用部門「Creator Labs」を立ち上げました。
クライアントがYouTubeなどでメディア事業を立ち上げ、育てるのを支える部門です。
WMEのデジタル部門の中に置かれ、チャンネルの管理、コンテンツの二次展開、その周辺の運用を請け負います。
この動きをNet Influencerが伝えています。

あわせて、動画の戦略と運用を手がけるAstra Mediaに出資しました。
Astra Mediaは、ハリウッドのタレントの動画プロジェクトを手がけてきた会社です。
Doreen Dinourのもとではクリエイター向けの営業チームを広げ、クライアントの動画に入るスポンサーを取る体制を強めています。

Creator Labsを率いるのはJoanne Leeです。
2024年にWMEへ入り、それ以前はMeta、YouTube、Sony Picturesで管理職を務めていました。

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YouTubeがネットワークの仕事を分解した

WMEのデジタルグループ共同ヘッド、Jad Dayehは、この動きをエンタメ業界と市場の状況への反応だと説明しています。

YouTubeが、これまでネットワークや配給の事業が持っていた要素を多くの面で分解し、クリエイターの手に渡した

もう一人の共同ヘッド、Ben Davisは、ここ2年ほど少しずつ投資と作り込みを続け、試行錯誤してきたと話しています。
問いの出発点は「クライアントが自分で届ける先を持つようになった今、エージェントの役割はどう変わるのか」です。

テレビ局の仕事としてまとまっていた企画、制作、編成、営業、配給は、いまチャンネル1本の中に収まります。
工程の一部を外に出す先が出てくるのは、そのためです。

企画から投稿・スケジュールまで代行する

Dayehによると、チームは企画の段階から立ち上げまで伴走し、投稿、スケジュール管理、広がりの設計までを担います。
クライアントが自前の制作会社を抱えなくても、登録者を増やせる形にしたものです。

初期のクライアントには、サッカー選手のErling Haalandがいます。
YouTubeチャンネルの開設とスポンサー獲得で、このチームが動きました。
「Recess Therapy」や「Celebrity Substitute」の制作者Julian Shapiro-Barnumは、新しいYouTubeの深夜番組で案件を取るためにWMEのサービスを使っています。

WMEはCreator Labsとクリエイター営業のために11人を採用しました。
Astra Mediaを通じて、50人の正社員と業務委託が働いています。
体制は今後も広げる計画です。
1つのチャンネルを動かす仕事に、これだけの人数が分業で入れる規模になっています。

CAAは2.5億ドルでメディア企業を買う側に

6月には、CAAとIntegrated Media CompanyがCompound Creative Holdingsを立ち上げました。
2.5億ドル(約400億円)を用意し、クリエイターが作ったメディア企業を買って運営する会社です。
CAAが持つ300人以上のクリエイター担当の仕事とは別に動きます。

2社の動きは、エージェンシー側の見方を同じ方向に変えています。
クリエイターは案件に割り当てる人材ではなく、資本と運用とインフラを必要とするメディア企業の創業者、という扱いです。

投稿や案件営業は外に出せる工程になった

日本で同じサービスが提供されているかは、原文に書かれていません。
それでも、投稿やスケジュール管理、案件の営業という工程が、チャンネルの外に出せる仕事として組み立てられ始めていることは読み取れます。

判断が分かれるのは、チャンネルの資産を誰が持つかです。
登録者、動画の権利、企画の権利、収益の受け取り方。
任せる範囲を広げるほど、この4つを先に決めておく場面が増えます。
曖昧なまま運営を渡すと、あとで自分の手に戻すときの手間が大きくなります。

※円換算は1ドル=160円(2026年8月時点の目安)です。

自分のチャンネルにどう影響するか

海外の事務所がチャンネル運営を丸ごと請け負う話は、自分の運営をどこまで自分で持つかを決める材料になります。

  1. 自分のチャンネルの工程を、企画・撮影・編集・サムネイル・投稿とスケジュール・案件営業の6つに書き出しておくと、外に出すかどうかを考えるときに判断が速くなります。
  2. 案件営業を誰かに頼む形を考えるなら、紹介の条件、契約の期間、動画と企画の権利がどこに残るかを先に決めておくと、あとで戻すときに困る場所が減ります。
  3. チャンネルを資産として見るなら、登録者、動画の権利、企画の権利、収益の受け取り方を1枚のメモにまとめておくといいです。
    任せる範囲が広がったときに、手元に何が残っているかを確認できます。

出典

  1. WME Bets on Creator Ownership With New Digital Unit, Astra Media InvestmentNet Influencer

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