YouTubeのテレビ視聴、回数はクリエイター・画面を見る時間は映画会社やテレビ局
- 米TVisionの調査で、YouTubeのテレビ視聴は回数でクリエイターが62.5%を占め、画面を見る時間の割合は映画会社やテレビ局が上回りました。テレビを意識した長尺の作り方に効く数字です。
- テレビでYouTubeを見る時間が伸びるなか、再生回数だけで番組の価値を測ると、テレビで長く見られる動画の強みを見落とします。尺と構成の前提が変わります。
- テレビで見られることを狙う長尺チャンネルと、6〜20分の中尺に力を入れる運営者にまず関係します。ニュースや政治、ゲーム、音楽で見られ方が違う点もジャンル選びの材料になります。

米国の視聴測定会社TVisionが、YouTubeをテレビ画面で見たときの調査結果を公表しました。
独立系クリエイターの動画は、映画会社やテレビ局の作品より本数で上回ります。
一方、見始めたあとに画面へ集中させる力では負けています。
この結果をNet Influencerが伝えています。
テレビのYouTube視聴、10回のうち6回はクリエイターの動画
TVisionの調査パネルでは、テレビで再生されたYouTubeの視聴セッションのうち62.5%がクリエイターのチャンネルでした。
10回のうち6回がクリエイター、残りの4回が映画会社やテレビ局の作品という配分です。
スタジオ側の動画は、深夜番組の切り抜き、映画の予告編、シリーズ全編まで幅が広いです。
それでもセッション数ではクリエイターに届いていません。
YouTubeのテレビ視聴はクリエイターがほぼ占めている、という前提を崩す数字です。

画面を見ている時間は映画会社やテレビ局の作品が上回る
集中の度合いは逆になります。
TVisionは2つの指標を使っています。
attention-to-presence(その時間に視聴者が部屋にいて画面を見ていた割合)と、attention-to-duration(動画の再生時間のうち、画面を見ながら見ていた割合)です。
presenceはスタジオ作品が57.2%、クリエイターが52.1%でした。
1時間流れていたら、画面を見ていたのは約34分と約31分という差です。
durationはスタジオ34.6%、クリエイター25.8%で差が広がります。
20分の動画なら、スタジオ作品は約7分、クリエイターは約5分。
同じテレビで流れても、見続けられる長さが2分ほど違います。
回数と濃さを分けるのは、その動画を選んだ人が誰か
レポートは、この差を視聴者がその動画を選んだ理由に結びつけています。
テレビ放送ではなくYouTubeでスタジオ作品にたどり着く人は、その作品を目的に見に来ているファンが多いです。
クリエイター側には、トップクリエイターが作る型通りの動画が大量に含まれ、ながら見の対象になりやすいと説明しています。
この構図はクリエイターの中でも同じです。
大手クリエイターほど総視聴時間と複数人での同時視聴が多く、集中度は低くなります。
MrBeastが例に挙がっています。
ニッチなクリエイターは再生回数が少ない代わりに、ファンが一人で集中して見ます。
テレビのYouTubeではShortsが10回に2回弱、6〜20分と21〜60分で3回に2回
尺の話は別の数字にも表れています。
Tubular Labsの調べとして、全プラットフォームのYouTube再生回数の77%(10回のうち8回近く)は1分未満の動画、つまりShortsです。
ところがテレビ画面では逆で、Shortsは視聴セッションの16.8%、10回に2回弱にとどまります。
6〜20分の中尺と21〜60分の長尺を合わせると66.8%で、3回のうち2回です。
この2つはほぼ半分ずつに分かれます。
テレビの前の視聴者はShortsをスマホに残し、テレビは長めの動画に使っている、という読み方です。
スタジオ作品も長尺のクリエイターも、同じ尺の土俵で見られています。
ジャンル別、ニュースと政治が最も濃く音楽は最も薄い
カテゴリ別では、エンタメがセッション数で首位でした。
集中度も57.1%(1時間のうち約34分)と高めで、NetflixのYouTubeチャンネルからクリエイター制作のシリーズまで、スタジオとクリエイターの両方を含むカテゴリだからだと説明されています。
最も濃いのはニュースと政治です。
presenceが66.7%、durationが52.9%(1時間のうち約40分と約32分)で、同時視聴は34.0%(3回に1回)と低めでした。
一人で目的をもって見る形です。
音楽はセッション数で3位ながら集中度が最も低く、ながら聴きの使われ方と一致します。
ゲームは同時視聴が最も高く、Robloxのような家族向けの題材が例に挙がっています。
スポーツは2番目に高く、NFLのライブ配信やNBAのハイライトが例です。
「ながら見」と「集中して見る」の両端に寄る
TVisionは、テレビに接続して使う従来の動画サービスともYouTubeを比べています。
集中度が最も低い層に入る視聴時間は、YouTubeが26.1%(1時間のうち約16分)、従来型が20.5%(約12分)。
最も高い層はYouTubeが25.4%(約15分)、従来型が23.5%(約14分)でした。
YouTubeは背景の映像と、じっくり見る映像の両方を担っている、というのがレポートの読みです。
集中度の低い使い方と高い使い方の両方に寄る点が、従来のテレビと違うところだとしています。
数字の出どころ、パネル調査の数字と他社の数字は別物
TVisionの数字は同社のパネル調査にもとづきます。
presenceとdurationは、部屋にいて画面を見ていた時間と、再生時間のうち画面を見た割合を測ったものです。
77%というShortsの数字はTubular Labsのもので、TVisionの調査ではありません。
日本で同じ測定が行われているかは原文に書かれていません。
自分のチャンネルにどう影響するか
テレビで長く見られているチャンネルは、再生回数だけを見ていると気づけない強みを持っています。
手元の数字で確かめられる場所は3つあります。
アナリティクスでテレビからの再生がどのくらいあるかを一度書き出しておくと、尺を長い側に寄せるかどうかを自分の数字で判断できます。
動画の長さに対する平均視聴時間の比率が25.8%(20分の動画なら約5分)を下回る本は、テレビで流れる前提の構成を見直す対象です。6〜20分の中尺と21〜60分の長尺を1本ずつ出して、平均視聴時間と同時視聴の有無を比べると、自分のチャンネルがどちらの尺に向くかが見えてきます。
テレビではこの2つの尺だけで3回のうち2回を占めています。音楽のようにながら聴きが前提の題材と、ニュースや政治のように一人で集中して見られる題材では、目標にする数字を分けて置くと、他ジャンルの伸び方に引っ張られにくくなります。
ゲームやスポーツは同時視聴が多く、家族や複数人で見られる題材に向きます。

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