MrBeastがAI玩具に出資、25万ドル(約4,000万円)で55%取得
- YouTubeで活動するMrBeastがAIボール玩具に出資し、25万ドル(約4,000万円)で会社の55%を取得しました。定価69ドル・原価13.29ドル・半年未満で1,300台という物販の数字が公開され、グッズを持つチャンネルの判断材料になります。
- 投資家を動かしたのは、WalmartやTarget、Amazonという既存の玩具の売り先を持っていたことでした。チャンネルの到達力が広告収益以外の収入に変わる過程が、数字で追えます。
- グッズや自社商品を出しているチャンネル、これから物販を始める運営者に直接関係します。価格と販路をどう決めるかの実例として読めます。

MrBeastがAI玩具に出資し55%を取得
米国の投資番組Shark Tankのシーズン18初回が9月30日に放送されました。
事業家が投資家の前で資金調達を交渉する番組です。
MrBeastはBeast IndustriesのCEO、ジェフ・ハウゼンボルド氏とともにゲスト投資家として出演し、AIを使ったボール玩具Ball 2に25万ドル(約4,000万円)を出資しました。
取得したのは会社の100分の55、半分を超える持ち分です。
Dexerto
創業者側が最初に求めていたのは20万ドル(約3,200万円)で100分の10でした。
日本で動画を作っている立場から見ると、出資額そのものより、チャンネルの到達力がどこで値段になるかのほうが気になります。

Ball 2は投げ方や回転を測るセンサー入りのボール
Ball 2はフォーム素材のボールで、中にセンサーが入っています。
投げ方、回転、弾み方を測り、充電は要りません。
遊びたい内容をスマホのアプリで言葉にすると、AIがその場でルールを組み立てます。
収録中には「10 Feet of Death」というゲームを実際に作ってみせました。
開発したのはSperry Labsです。
創業者はアンドリュー・ブラウン氏とケビン・ラングドン氏のいとこ同士で、ペンシルベニア州の農村の出身。
ブラウン氏はゲームデザイナーで、以前はElectronic Artsで働いていました。
5人のチームで、外部から資金を入れずに自分たちで開発費を出してきたと、原文は別メディアの情報として伝えています。
創業者側は半年未満で1,300台を販売
創業者たちは、販売開始から6か月未満で約1,300台を売り、売上7万4,000ドル(約1,180万円)だと明かしました。
1台あたりの生産コストは13.29ドル(約2,100円)、定価は69ドル(約1万1,000円)です。
定価69ドルのうち、作るのにかかるのは13.29ドルで5分の1ほど。
差し引き1台あたり約55.7ドル(約8,900円)が残る計算になります。
ただし送料や販売手数料は原文に書かれていないので、そのまま手元に残る金額ではありません。
売上を台数で割ると1台あたり約57ドル(約9,100円)で、定価の69ドルを下回ります。
値引きがあったのかどうかは原文に書かれていません。
価格についてはMrBeast自身が懐疑的な見方を示しています。
多くの人が「ボールに69ドル?」と思うのは分かる
商品そのものについては、13、14歳だった自分がAIと話している姿が想像でき、本当に楽しいと思えると話しました。
交渉を後押ししたのは既存の玩具の売り先
Team Beast側が最初に提示した条件は30万ドル(約4,800万円)で100分の66でした。
根拠として示したのが、すでに展開しているMrBeastの玩具ライン「MrBeast Lab」の到達力です。
私たちはすでに玩具会社を持っている。
Walmartでも、Targetでも、Amazonでも流通させている
ハウゼンボルド氏のこの発言が交渉の土台になりました。
創業者側は投資家の持ち分を51%まで下げてほしいと求め、最終的に25万ドルで55%で折れています。
条件を並べると、創業者側が何を優先したかが見えます。
30万ドルで66%という提示は、会社の価値を約45万4,545ドル(約7,270万円)と見る計算です。
成立した25万ドルで55%も同じ約45万4,545ドルになります。
創業者側は受け取る現金を5万ドル(約800万円)減らす代わりに、自分の持ち分を11ポイント増やしたことになります。
契約がまとまったあと、ハウゼンボルド氏は「これでTikTokを作るのが待ちきれない」と話しました。
商品を広める場所としてショート動画を想定していることが分かります。
原文はYouTubeのShortsには触れていません。
物販は価格と売り先を先に決めると交渉が変わる
物販を考えているなら、ここから先の数字の並びが参考になります。
定価69ドル、原価13.29ドル、半年未満で1,300台、売上7万4,000ドル。
この4つがそろうと、価格を上げるべきか、台数を増やすべきか、原価を下げるべきかの判断ができます。
今回の取引で投資家を動かしたのは、チャンネルの登録者数ではなく、Walmart、Target、Amazonという売り先をすでに持っているという事実でした。
どこで売るかを先に決めておくと、投資の場でも企画の場でも話が早く進みます。
Ball 2の日本での販売、MrBeast Labの売上、出資後にどこまで経営に関わるかは、いずれも原文に書かれていません。
※円換算は1ドル=160円(2026年8月時点の目安)です。
自分のチャンネルにどう影響するか
物販やグッズを考えているなら、この取引は価格と販路の決め方の見本になります。
- 定価・原価・販売台数・売上の4つを1行に書き出してみる。
Ball 2は定価69ドル、原価13.29ドル、1,300台、売上7万4,000ドルでした。
同じ4つを自分の商品で埋めると、いまの価格で利益が出るのか、台数を増やすべきなのかが見えます。 - 売り先を先に言葉にしておく。
交渉で使われたのは「Walmart、Target、Amazonで流通させている」という事実でした。
委託先でもECのショップでも催事でも、自分の商品を置ける場所を説明できる形にしておくと、投資や提携の場で材料になります。 - 発売時のプロモーションの置き場所を決めておく。
契約直後にハウゼンボルド氏が口にしたのはTikTokでした。
長尺で商品の背景を説明し、Shortsで使用シーンを出す、といった役割分担を発売前に決めておくと、投稿が散らかりません。

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