YouTube利用規約でアップロード時のライセンスとAI学習の関係を解説
- GoogleがAI音楽生成器Lyriaの訴訟で、YouTubeへのアップロードがAI学習の許諾に当たると主張しました。
- 利用規約のライセンスがどこまで及ぶかが初めて争われ、判決次第でAI学習の扱いが変わります。
- YouTubeに動画を投稿する全クリエイターが影響を受け、特にコンテンツのAI学習を制限したい運営者は要確認です。

アップロード時のライセンスがAI学習を許諾するのか
2026年6月、GoogleはAI音楽生成器「Lyria 3」を巡る著作権訴訟で、YouTubeへのアップロードがAI学習の許諾に当たると主張しました。
独立系ミュージシャンが、自分の録音が無断で学習に使われたと提訴していたものです。
元記事は、この訴訟をきっかけにYouTube利用規約の内容を解説しています。
TubeBuddy Blog

YouTubeが受け取るライセンスの内訳
利用規約には、投稿したコンテンツについて次のような定めがあります。
"By providing Content to the Service, you grant to YouTube a worldwide, non-exclusive, royalty-free, sublicensable and transferable license to use that Content..."
- 全世界: 地域を問わず効力が及びます
- 非独占: 同じ動画を他サイトでも使えます
- サブライセンス可能・譲渡可能: YouTubeが他の企業に権利を渡せます
- 無償: ライセンスを付与しても報酬は発生しません
所有権はクリエイター側に残ります。
規約にも「あなたはコンテンツの所有権を保持する」と書かれています。
ただし、所有権を保ったまま、幅広い利用を許諾しているのが実態です。
収益化と削除・停止の権限
YouTubeは、YPP未加入の動画にも広告を付けて収益化できます。
この場合、クリエイターへの分配はありません。
YPP加入者には長尺動画の広告収入の55%が入りますが、これは別途の契約に基づく話です。
またYouTubeは、規約違反や第三者に害があると判断した場合、動画を削除したりチャンネルを停止したりできます。
基準は「合理的に信じる」こと。
YouTube側の裁量が大きい点は覚えておきましょう。
削除やストライキには異議申し立ての手段がありますが、プラットフォーム上での活動はあくまで許可の上に成り立っています。
他人のコンテンツを使うときの注意
投稿したコンテンツの責任は投稿者にあります。
著作権問題も例外ではありません。
フェアユースは誤解されやすいですが、YouTubeの規約は間違えた場合の救済を約束していません。
他のクリエイターの素材を再利用したいときは、YouTubeリミックスのように、あらかじめ再利用が許可されたコンテンツを使うのが安全です。
動画を削除してもライセンスは続く
動画を削除した場合、ライセンスは「商業的に合理的な期間」続きます。
また、YouTubeは削除された動画のサーバー内コピーを保持できます。
公開・配信はしないものの、完全にデータが消えるわけではありません。
さらに、ライセンスの消滅は今後の利用にしか効きません。
すでにAIモデルが学習した内容について、あとから削除しても遡って無効にはなりません。
今後の注目点: Lyria訴訟
この訴訟はまだ係争中です。
Googleの主張が認められれば「アップロード時のライセンスがAI学習をカバーする」という解釈が後押しされます。
否定されれば、AI学習にはより明確な許諾が必要になる可能性があります。
利用規約の限界が実際に問われる、要注目のケースです。
自分のチャンネルにどう影響するか
まず確認したいのは、自分がAI学習に反対なのかどうかです。
反対するなら、今のうちにできることを整理しておくことをおすすめします。
- オリジナル動画のマスターデータと、視聴者との連絡手段は、YouTubeの外に確保しておくと、チャンネルが停止しても作品とコミュニティの基盤を失いません。
- 他人のコンテンツを利用するときは、フェアユースの自己判断に頼らず、YouTubeリミックスや明示的な許可を得た素材だけを使う運用がおすすめです。
- Lyria訴訟の判決次第で、今後の利用規約解釈が変わります。
審理の進展を追いながら、必要に応じて自チャンネルの公開方針を見直す準備をしておくと、あとで慌てません。
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