クリエイターを役員として迎えるブランドが増加 肩書きだけでなく実権に変化
- 海外ブランドがクリエイターを役員として起用し、肩書きだけでなく経営に関わる契約が増えています。
- ブランドが本気でクリエイターの意見を求めるようになり、ファンとの関係や独自性が報酬の基準になり始めます。
- 企業案件を狙うチャンネル運営者にとって、単発投稿より長期的な契約を提案できる材料になります。

クリエイターが役員になる日
昔は「クリエイティブ・ディレクター」のような肩書きをブランドがクリエイターに授けても、発表のためだけに見えることも多かった。
だが最近は、実際に経営へ口を出す資格を持つ「役員」として契約する例が増えている。
Digidayが報じました。
記事が紹介するのは、以下の3例です。
- ドイツの菓子メーカー Katjes が、米国市場の開拓を担う最高クリエイティブ責任者にコメディアンの Jack Shane を起用。
- 清涼飲料ブランド Cool Sips は、リアリティー番組出身でクリエイターの Whitney Leavitt をチーフ・クリエイティブ・ブランド責任者に。
- 投資プラットフォーム Cherub は、起業家の Nadya Okamoto を最高クリエイター責任者として迎え、案件の発掘を任せた。
いずれも名前と報酬だけでなく、実際の意見が反映されることが前提になっているのがポイントです。

Blenders は投稿内容まで委ねる
サンディエゴのサングラスブランド「Blenders」は、フォロワー数 5,000 万人を超える Jordan Howlett を最高コンテンツ責任者として起用しました。
同社の CEO Jack Gray は、すでに SNS の取り組みが変わったと説明します。
Howlett は来店した際に、フォロワーが 100 人ほどの店員へ動画撮影を指示。
その投稿は商品の頑丈さを試す内容で、Instagram 上で約 20 万回の再生を記録しました。
パートナーシップの最初の試金石になったそうです。
さらに、ある日の撮影は「しっくり来ない」と全データを破棄する判断をしました。
Howlett の考え方、つまり本人の本物らしさやエネルギーをマーケティングの中核に置く方針が、ブランド側にも浸透しているようです。
契約内容は非公開ですが、複数年かけての大型パートナーシップで、初のメインビデオは社内の KPI をすべて上回ったと Gray は語っています。
「肩書きだけ」への警戒も
一方、エージェンシー Superbloom の CEO である Lily Comba は、すべての役員任用が実質を伴うわけではないと戒めます。
「チーフ何とかオフィサー」と呼ばれても、実際は新商品や新色の発売に合わせた発表で、後が続かないケースがあるというのです。
そのうえで Comba は、ブランド側の評判の大切さを強調しています。
クリエイターと真剣に向き合うブランドは口コミで広がり、逆に名前だけを借りるブランドは避けられる可能性があります。
重要なのは、クリエイターを「顧客のレンタル」と見るか「文化の共同作者」と見るかです。
Blenders の Gray は「文化をレンタルするのではなく、クリエイターの考え方をマーケティングの中核にしたい」と話しています。
ここが一番大事なところです
この流れは、クリエイターとブランドが「広告枠とタレント」の関係から「経営とパートナー」の関係へ変わることを示しています。
同時に、肩書きだけでは評価されない時代にもなっている。
実際の権限と成果指標をセットで契約できるかどうかが、これからのクリエイター案件の分かれ道になりそうです。
自分のチャンネルにどう影響するか
ブランドと話を始めるときは、「役員」という言葉だけに浮かれないでください。
まず、その肩書きにどんな決定権と予算が付いてくるのかを確認するのが先です。
- 契約を結ぶ前に、相談範囲・決定権・期間・KPI を文書で確認しておくと、後で「肩書きだけだった」となりません。
- フォロワーが少なくても、店員の投稿をバズらせた Howlett の例は、発信力の質で勝負できる証拠です。
自分の企画力や視聴者との関係を、具体的な成果とともにプレゼン材料に用意しておきましょう。 - 単発案件より、長期的なクリエイティブ関与や成果報酬型の提案を試してみる価値があります。
ブランド文化に与えた影響を実績として積み上げると、次の交渉で有利になります。
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