AI

OpenAI広告、まずは大企業向け 最小オーディエンス2万5000人

  • OpenAIが企業向け広告の責任者を募集し、広告マネージャーに大企業向けの機能を追加しました。
  • 最小オーディエンス2万5000人など、中小企業には使いにくい条件で大企業の予算を優先します。
  • 小規模チャンネルの運営者にはすぐに影響はありませんが、広告市場の変化を知る材料になります。
画像はイメージです

OpenAIが広告ビジネスで企業を狙い始めました

OpenAIが広告事業の軸足を、企業向けに移し始めました。
Digiday の報道によると、同社の採用ページに「head of ads enterprise marketing」という新しいポジションが公開されています。
サンフランシスコ勤務のこの役職は、企業向け広告の案件を増やすためのコンテンツ制作やイベント、マーケティング施策を統括します。
年俸は37万4,000〜41万5,000ドルに加えて株式報酬が付く、企業のトップマーケター級の条件です。

採用情報には、OpenAIを「世界のマーケターにとってプレミアムな広告プラットフォーム」と位置づけるためのストーリー作りや、企業広告主や代理店から信頼される「差別化されたプラットフォーム」としての地位を確立する役割も明記されています。
単に広告機能を売るのではなく、企業のマーケティング部門ごと取り込む意図が見えます。

広告事業は、OpenAIがAI製品で進めるエンタープライズ戦略の延長線上にあります。
同社はモデルへのアクセスを売るだけでなく、大企業に技術を組み込むための管理機能や連携、パートナー網、販売インフラを整えてきました。
広告事業も同じ手法で、専任のエンタープライズマーケティングや代理店パートナーシップ、広告主向けテクニカルサポートを準備しています。

米国の広告関係者によると、OpenAIの営業担当者は、当面はエンタープライズ企業向けの構築に注力すると説明しているそうです。
最初に大企業の広告収入を確保して、その資金で中小企業向けの機能を整えるという順番です。

画像はイメージです

広告マネージャーに入った大企業向けの機能

直近のアップデートにも、その戦略が表れています。
広告マネージャーには「カスタムオーディエンス」機能が追加されましたが、広告配信の最小オーディエンスは2万5,000人に設定されています。
AccuracastのCEO Farhad Divecha氏は、これでは中小企業には使いにくいと指摘します。
2万5,000件以上の顧客データベースを持っているのは、たいてい大企業だからです。

そのほか、キャンペーンの予算不足を知らせる通知や、アカウントの健全度を分析する指標、役員向けのレポート用チャート、代替の見出しや広告文を自動提案する機能も追加されました。
複数のキャンペーンを運用しながら役員に数字を報告する担当者には助かる機能ですが、自分の広告を自分で回す小規模事業者にはあまり必要ありません。

Sourcepoint by DidomiのCOO Brian Kane氏は、OpenAIが大規模な広告主をサポートするプラットフォームを構築しているのは明らかだが、現時点でエンタープライズ向けと断定するのは時期尚早だと話します。
今の機能構成は、本来のエンタープライズ向けというより、コマース寄りだとの見方です。

中小企業向けの布石も見えています

一方で、OpenAIは中小企業向けのチームも用意しています。
米国の広告関係者によると、米国内では地域を絞ったターゲティングや特定地域の除外もできるようになってきており、いずれは中小企業もサポートする方向に動いている証拠と受け止められています。
ただ、インフラを作るには、先に大企業の広告予算で資本を積む必要があります。

Zeno Groupの有料メディア担当SVP Shamsul Chowdhury氏は、OpenAIはGoogleの実績ある手法を踏襲しようとしており、広告主に規模を示しながらパフォーマンス改善のフラグを立てることで、広告の運用を簡単にする狙いがあると解説します。

OpenAIはDigidayのコメント要請に応じていません。
今後の広告商品の拡充や価格設定は、まだ明らかになっていません。

自分のチャンネルにどう影響するか

OpenAIの広告事業は、今のところ大企業が先です。
個人チャンネルや小規模ビジネスの運営者にとって、すぐに使えるものではありません。
ただ、将来の選択肢を増やすという意味では、以下の3つを押さえておくと安心です。

  1. まず、自分の広告運用がどこで回るかを確認しておきましょう。
    OpenAI広告は最小オーディエンス2万5,000人の制約があるため、そこまでのリストがないなら、現時点の主戦場はYouTube広告です。
  2. もし2万5,000人以上の顧客リストを持っているなら、OpenAIの広告マネージャーは試す価値があります。
    アップロード条件や配信仕様は今後変わるので、公式ヘルプの更新を追っておくと良いです。
  3. 将来の広告プラットフォーム移行に備え、顧客のメールアドレスや連絡先を自社で管理しておきましょう。
    プラットフォームが変わっても、自社リストは新しい広告商品を試すときの資産になります。

出典

  1. OpenAI is sharpening its focus on enterprise advertisersDigiday

コメント

まだコメントはありません。最初の1件をどうぞ。

投稿された内容とお名前はこのページに公開されます。個人情報や、他の方を傷つける内容は書かないでください。 URLを含むコメントは投稿できません。内容によっては予告なく削除することがあります。