YouTube公式調査、クリエイターの認知度はハリウッド俳優とほぼ同じ77%
- YouTubeがNRGとまとめた文化調査で、14〜44歳が「世間で話題」に挙げた割合はクリエイター77%、ミーム78%でした。ハリウッドのセレブは79%、スーパーボウルは83%で、差は数ポイントしかありません。
- 上位映画の認知度は2017年の68.3%から2025年は59.6%へ下がり、代わりに「大ファン」の比率が22.2%から26.5%へ上がっています。広く知られることより濃いファンの数が効く局面です。
- ファンがすでにいる題材を扱うチャンネルにまず関係し、14〜44歳を狙った企画の立て方や、動画ポッドキャスト・ゲーム・アニメの数字の読み方に影響します。

YouTubeは、調査会社NRGと組んでまとめた文化調査「Culture & Trends」の最新版を公開しました。
タイトルは「In Search of Mainstream」で、14〜44歳のオンライン利用者数千人へのアンケートと、既存調査や動画トレンドの分析をもとにしています。
Net Influencerが内容を伝えました。
世間で話題に挙がったのはクリエイター77%、ミーム78%
「いま多くの人が夢中になっているもの」を聞いた設問の結果は、スーパーボウルが83%、ハリウッドのセレブが79%、インターネットのミームが78%、YouTubeクリエイターが77%でした。
クリエイターとハリウッド俳優の差は2ポイントです。
10人のうち8人が、YouTubeクリエイターを世間が熱中している対象として思い浮かべる計算になります。
名前の知られていないチャンネルでも、話題の土俵は映画俳優やスポーツの大型イベントと同じところにある、という読み方ができます。
ただしこの調査の対象は米国のオンライン利用者で、日本の視聴者がどう答えるかは原文に書かれていません。

映画の認知度は68.3%から59.6%に低下
NRGが劇場作品を追いかけたデータでは、上位10作品の平均認知度が2017年の68.3%から2025年は59.6%へ下がりました。
10人中7人近くが知っていた作品が、いまは6人程度に減った計算です。
大ファンの比率は22.2%から26.5%へ
減ったのは「知っている人」で、増えたのは濃いファンです。
認知している人のうち「大ファン」と答えた割合は、同じ期間に22.2%から26.5%へ上がりました。
知っている人の4人に1人は濃いファン、という状態です。
広く知られることより、狭く深く支持されることのほうが効いてくる局面に入っています。
NFL公式11チャンネルが年200億回再生
米プロフットボールのNFLは、公式YouTubeチャンネル11本で2025年に200億回再生を集めました。
2020年から250%増で、3.5倍です。
11本で割ると1チャンネルあたり約18億回、1日あたりに直すと約5,500万回になります。
14〜24歳のオンライン利用者の82%は、自分がファンの題材の情報をYouTubeで見ており、その95%が週1回以上見ています。
好きなものの情報を取る場所として、YouTubeが既定の選択肢になっている年代です。
動画ポッドキャストは14〜44歳の83%が見た
音声のポッドキャストは、12歳以上の米国人の半数以上が毎月聞いているというデータが引用されています。
NRGの調査では、14〜44歳のオンライン利用者の83%が過去1年に動画ポッドキャストを見ました。
10人中8人以上です。
長い会話を最後まで見る習慣は、一部の熱心な人だけのものではなくなりました。
ゲームとアニメの認知度はMarvelの84%に迫る
MinecraftとRobloxの認知度は75%で、Marvelの84%に近づいています。
報告書は「グランド・セフト・オートV」(2013年)を、史上最も利益を生んだ娯楽商品と位置づけています。
アニメでは「鬼滅の刃 無限城編」が2025年の米国公開初週で7,000万ドル(約112億円)を上げ、アニメ映画の初週記録として過去最高になりました。
YouTube発のホラー企画「The Backrooms」は関連動画が150億回以上再生され、クリエイターのKane Parsonsさんによる映画版は全世界で1億1,800万ドル(約189億円)、北米だけで8,140万ドル(約130億円)の初週興収を記録しています。
ファンは推しの成功を自分の成功と感じる
14〜44歳のファンの63%は、自分がフォローしている人や作品が成功すると「自分も成功したように感じる」と答えました。
60%は「自分が関わったと思う成功に誇りを感じる」としています。
2025年4月のGoogleとSmithGeigerの調査にもとづく数字です。
応援する側は、他人事として眺めているのではなく、自分が一部になっている感覚を持っています。
認知度の土俵が映画から動画へ移った
世間の共通話題を作る場所が、映画やテレビから動画側へ移りつつあることを数字が示しています。
認知度が下がった代わりにコアファンの比率が上がったのは、その変化の現れです。
チャンネル運営の設計にも同じ理屈が使えます。
広く浅く届けることを狙うより、扱う題材のファンがすでに集まっている場所に入っていくほうが、濃い視聴者を連れてきやすい。
ファンが自分ごととして受け取る構造があるからです。
日本の視聴者に同じ数字が当てはまるかは、この調査からは分かりません。
※円換算は1ドル=160円(2026年8月時点の目安)です。
自分のチャンネルにどう影響するか
認知度だけを見ると「YouTubeはもうテレビ並み」という話に読めますが、運営に持ち帰れるのはファンの濃さのほうです。
- 題材のファンが普段どこで情報を取っているかを先に調べておくと、企画の当たり外れが小さくなります。
14〜24歳の82%が好きなものの情報をYouTubeで見ていて、その95%が週1回以上見ています。
扱いたいジャンルのファンがYouTubeにいるなら、そこに向けて作る価値があります。 - コメントから次の企画のテーマを拾い、動画内でその人に触れておくと、視聴者が「自分も関わった」と感じやすくなります。
フォロワーの63%が推しの成功を自分の成功のように感じ、60%が自分が関わった成功に誇りを持つと答えています。
反応を返す手間が、そのまま次の再生につながる構造です。 - 登録者数だけでなく、直近のリピート視聴とコメント数の推移を並べて見ておくと、濃いファンが増えているかどうかが分かります。
映画の世界でも「知っている人」は減り、「大ファン」の比率は上がりました。
数字が伸び悩んでいても、ファンが入れ替わっているだけのことがあります。

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