データ・調査

YouTubeのShorts連続ドラマ、インドで3億ドル市場・案件は21〜25日

  • 前回の記事からの変更点は、Shortsの連続ドラマがインドで数字として立ち上がってきたことです。初年度の市場は約3億ドル(約480億円)、企業案件は21〜25日で組み込めます。
  • 縦型の短いドラマはテレビでも見られるようになり、話数で追わせる設計がYouTubeに揃いました。専用アプリを入れずに、見つけてから課金までの導線を1か所でたどれます。
  • Shortsで寸劇や連続ものを出しているチャンネルがまず対象で、企業案件の新しい形を探している運営者にも提案の材料が増えます。
画像はイメージです

Shortsがシーズンと話数で並ぶ、対象は収益化済みチャンネル

YouTubeがMade On YouTubeで明らかにしたShorts Seriesは、複数のShortsをシーズンとしてまとめ、話数に分けて並べられるようにする機能です。
サムネは自分で用意でき、視聴者は話の順番どおりに続けて見られます。
対象はYouTubeパートナープログラム(広告収益を受け取れる状態のチャンネル)のクリエイターで、パソコン・スマホ・テレビのアプリに順次広がります。
日本での提供開始時期は原文に書かれていません。

縦型の連続ドラマは、これまで1本ずつバラバラに流れてくるだけでした。
話数とシーズンという入れ物が付くと、1話目を見つけた人がそのまま次へ進めます。

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インドのショートドラマ市場は初年度3億ドル、2030年に45億ドルへ

この発表を読むときの新しい材料が、インドの数字です。
ショートドラマが本格的に立ち上がった最初の1年で、市場は約3億ドル(約480億円)に達しました。
ダウンロードは約4億5,000万回、月に1度以上見る人は約1億人です。
Lumikaiの「State of India Interactive Media Report 2025」による数字で、2030年には45億ドル(約7,200億円)まで伸びる見込みです。

作品を抱える側も動いています。
ククTVはダウンロードが2億回を超え、毎月150本以上のオリジナルを出していると報じられました。
2025年に始まったストーリーテレビは、200本のショートドラマを出して2か月で500万人をつかんだと会社が説明しています。
既存の大手では、ジオスターがタドカというブランドで参入しました。

視聴者は大都市だけにいるわけではありません。
業界の報道では、地方の都市が本数の伸びを支え、大都市が有料視聴の売上を作る構図とされています。

制作費は1分8,000〜9,000ルピー、企業案件は21〜25日で組める

FICCI-EYのメディア・エンターテインメント報告は、2025年にインドで約800時間のオリジナルショートドラマが作られたと見積もっています。
制作費は1分あたりおよそ8,000〜9,000ルピー(円換算は原文に記載なし)。
従来の長尺映像とは桁が違います。
同じ報告は、この分野が2028年までに232億ルピーに届くと予想しています。

安く速く作れると、企画の当たり外れを早く確かめられます。
何百話も出して、どの話・どの登場人物・どの引きが効いたかを、ほぼその場で見分けられます。
数か月と多額の費用をかけて1本の長尺を作る進め方とは、判断の回し方が変わります。

企業案件の組み込みも速い。
FICCI-EYは、ブランドの組み込みを21〜25日ほどで納品できると指摘しています。
通常の娯楽作品の制作サイクルより短い期間です。
同じ報告は、ショートドラマの収入がサブスクリプション(定額の見放題)だけでなく、広告・ブランドコンテンツ・物販へ広がると見ています。
広告の専門家の分析でも、連続ものは視聴者が長く関わり、広告が最後まで見られる割合が上がるとされています。
安く大量に見せる枠というより、値段の付く広告面として見られ始めています。

YouTubeが持つのは見つけてもらう経路、専用アプリは要らない

インドのショートドラマは、専用アプリが最初に市場を作りました。
見つけて、見て、課金するまでの導線を自分で設計できるのが強みでした。
YouTubeが持っているのは、その最初の部分です。
Shorts Seriesは、専用アプリが最初から備えていた「話数で追わせる」設計を足す動きになります。

視聴者はShortsのフィードで1話目を見つけ、続きを順番に再生し、チャンネルに戻って別のシーズンを見て、最後はテレビで続きを見る。
同じ内容が、別のアプリを入れずにYouTubeの中で移動します。

Lumikaiは、この分野の成否を決める要素として、内容の質・IP(権利を持つ企画)・出す速さ・届け方・見つけやすさを挙げています。
YouTubeはこのうち複数を1か所にまとめられます。
同じ動きは他のプラットフォームにも及んでいます。
Metaは今年6月、InstagramとFacebookのリールで、動画を話数にまとめてプロフィール上に専用の棚を作るSeries機能のテストを始めました。

テレビでの再生は9割増、縦型はスマホ専用ではなくなりつつある

YouTubeによると、2026年前半のショートドラマは65億回再生されました。
半年で65億回は1日あたり約3,600万回、視聴時間は前年同期より5割増えています。
前年に10時間見られていたなら15時間になった計算です。

テレビでの再生は前年同期比で9割以上増えました。
前年に10回テレビで見られていたものが19回になった割合です。
縦型の短いドラマは、テレビと従来の配信が遅くて高くて重いと感じた層のために生まれました。
その形式が、いまテレビへ戻ってきています。

テレビで見るようになっても、中身の性質は別のままです。
1話は短く、話は速く進み、見つけ方はアルゴリズム任せで、一度に何十話も見られます。
変わったのは画面のほうです。

YouTubeのニール・モーハン最高経営責任者(CEO)はMade On YouTubeで、次のように述べています。

私たちが作るものはすべて、その活気ある生態系のためにある。

この発言は、Shortsを単体の動画の置き場ではなく、シリーズとして育つ場所にしたいという方向を示しています。
テレビでの再生が伸びている数字と合わせて読むと、Shortsと配信ドラマの境目がどこまで薄くなるかが、これから各チャンネルの企画の立て方に効いてきます。

出典: Storyboard18 (Influencer Marketing)

※円換算は1ドル=160円(2026年8月時点の目安)です。

自分のチャンネルにどう影響するか

Shortsで寸劇や連続ものを出しているなら、話数の切れ目を先に決めておく価値があります。
Shorts Seriesは収益化済みのチャンネルが対象なので、まだ対象外でも企画の整理は今から進められます。

  1. バラで出している動画のうち、同じ題材で3本以上まとめられるものを書き出しておく。
    並べ替えて話数が付くだけで、1本見た人が次へ進む導線になります。

  2. 企業案件の提案に「複数話に分けた形」の選択肢を足しておく。
    1本の尺に収めるより、ブランドの出番を長く保てます。
    インドでは21〜25日で納品する例が出ており、短期間で形にできる点は提案書に書き足せる材料です。

  3. テレビで見られる前提で、1話目の冒頭と2話目へのつなぎを点検しておく。
    前半のテレビ再生が前年比9割増という数字は、スマホ向けの縦型がそのまま大きい画面へ移っていることを示しています。

出典

  1. YouTube turns Shorts into series as microdramas move from the feed to the TV screenStoryboard18 (Influencer Marketing)

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