YouTubeの分配55%、Facebookは映画系事業者でYouTubeの2割に届かず
- インドの事業者が、Facebookの収益はYouTubeの2割に届かないと語りました。YouTubeの長尺は広告収益の55%が分配されます。
- 同じ1回の再生でも、プラットフォームごとに入る金額は違います。収益の受け取り口座を誰が握るかも、運営のリスクになります。
- 複数のSNSで動画を出しているチャンネルに関係し、代理店や配給会社に収益の窓口を預けている運営者は特に確認が必要です。

インドの動画支援会社Divoの創業者は、Facebookの収益はYouTubeの2割に並ぶのも難しいとみています。
YouTubeだけで食べているチャンネルでも、他のSNSに動画を転載しているなら、他人事ではありません。
元になったのは、インドの業界メディア Storyboard18 (Influencer Marketing) の記事です。
インドの広告会社と動画支援会社の幹部が、収益の差と口座管理のリスクを語っています。
数字はどれもインドの話です。
Facebookの分配総額は約30億ドル、国別は非公表
Facebookは2025年、世界の収益化プログラム全体でクリエイターに約30億ドル(約4,800億円)を支払ったと公表しています。
国ごとの内訳は出していません。
インドの広告会社Gozoop Creativeのカントリーヘッド、アミン・ガディアリ氏は、粗い試算を示しました。
Metaの世界広告収入に占めるインドの割合は1.7〜2%ほど。
これで割ると、インド向けは年450億〜520億ルピー相当になります(円換算は原文に記載なし)。
氏自身が、公表データではなく方向を見る目安だと断っています。
比べる相手のYouTubeは、インドのクリエイターやアーティスト、メディア企業に3年で2,100億ルピー超を支払ったと主張しています(円換算は原文に記載なし)。
年にならすと約700億ルピーです。
ただし両者は集計の条件が違うので、直接は比べられません。

FacebookはYouTubeの2割を超えるのも難しい
Divoの創業者兼CEO、シャヒル・ムニール氏は、自社が扱う音楽以外のメディア事業者の多くで、Facebookは収益源の2番手か3番手だと話しています。
同社はFacebookの収益化に2018〜2019年から関わってきました。
以前は、映画コンテンツの持ち主でFacebookの収益がYouTubeとほぼ並ぶ例もありました。
いまはYouTube収益の2割に並ぶのも難しい、というのがムニール氏の見方です。
たとえばYouTubeで月100万円入る事業者なら、Facebookは20万円に届かないイメージです。
比較的伸びるのは、映画の切り抜き、ニュースの切り抜き、ポッドキャスト、著名人のインタビューです。
ただし収益化の手段が増えても、入金が安定するとは限らないと氏は付け加えています。
ガディアリ氏は、Metaでは企業案件が家賃で、プラットフォームの分配は心づけにすぎないと言います。
Metaの2025年の年次報告書も、Reelsの収益化はフィードやストーリーズより低いと認めています。
YouTubeの長尺は55%、Shortsは別の仕組み
YouTubeは、条件を満たした長尺のクリエイターに、視聴ページの広告収益(純額)の55%を分配しています。
広告収益が100円なら、55円がクリエイターの取り分です。
Shortsは別の分配モデルで動いています。
つまり、1回の再生は、どこで見られても同じ値段ではありません。
自分のチャンネルでは、Studioの「アナリティクス」→「収益」タブで、長尺とShortsの収益を分けて見られます。
どちらが稼ぎの主力かは、ここで分かります。
収益の受け取り口座を他人に預けるリスク
ムニール氏が強く指摘したのは、口座の持ち運びにくさです。
Facebookのページの収益受け取りが、代理店や配給会社と結びついていると、あとから移すのがとても難しくなります。
Divoは未解決の案件を抱えています。
その一つが、大手メディア企業のケースです。
収益の受け取り設定が、すでに事業をやめた代理店につながったままになっています。
サポートの問題も重なります。
Divoが扱った例では、人間の担当者につながる機会は限られていました。
AIサポートでは複雑な問題が解決しにくく、プラットフォームの担当窓口がいても、実際の対応ルートになるとは限りません。
氏の提案は単純です。
収益の受け取り口座は、クリエイター本人が直接握る。
代理店には戦略や運用、トラブル対応を任せ、収入の持ち主は自分でいる。
この形を勧めています。
収益が止まると、制作量が落ちます。
他のSNSへ軸足を移したり、案件に頼る比重が増えたりもします。
口座の問題は、広告主にも影響が及ぶと氏はみています。
広告主は分配額では選ばない、依存は買い付けのリスク
二人とも、分配額だけで広告費の行き先が決まるとは見ていません。
ムニール氏によると、広告主は視聴者の属性、リーチ、視聴時間、反応、内容との相性、キャンペーンの目的で選びます。
ガディアリ氏の整理では、YouTubeは検討、Metaは認知と発見、小売メディアは購入、クリエイター自身のコミュニティは再購入を受け持ちます。
インドでは、ECが影響力マーケティング支出の23%を占めます。
Kofluenceの2026年報告書の数字です。
2020年6月のインドのTikTok禁止では、2億人超が一夜で使えなくなりました。
いまは93.1%のブランドが、Instagramを主な発信の場にしています。
氏は「卵を一つのかごに入れすぎ」と言います。
広告主の側も、クリエイターが口座や取引の主導権を持っているかを見る時代になる、という話です。
日本での扱いは原文に書かれていません。
数字は海外の目安で、分配率や受け取り条件の一次情報はStudioと各社の公式ページです。
※円換算は1ドル=160円(2026年8月時点の目安)です。
自分のチャンネルにどう影響するか
他のSNSにも動画を出している運営者は、収益が入る口座の名義が先に確認したい点です。
Studioの「収益受け取り」で、受け取り先が自分名義になっているかを見られます。
事務所や代理店経由で受け取っている人は、契約を解除したあとに自分で口座を引き継げるかも、先に聞いておく価値があります。
数字の比べ方は、「アナリティクス」→「収益」タブで長尺とShortsを分け、同じ期間の収益をそれぞれ再生回数で割る手が早いです。
1回あたりの金額が出れば、どちらを増やすべきかを自分のデータで判断できます。
出典
- As brands bet big on creators, payout risks come into focusStoryboard18 (Influencer Marketing)

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