YouTubeがテレビ同時視聴の新指標「Co-Viewed」を追加、案件の実績報告に使える数字
- YouTubeがテレビの同時視聴者数を推計する新指標「Views (Co-Viewed)」を追加しました。3人で見れば3人と数え、運営者のアナリティクスにだけ表示されます。企業案件の交渉や報告で使える数字になります。
- 共視聴は実測した数字ではありません。YouTubeは推計だと説明し、数え方は公表していません。同時期の再生回数の数え方変更では、実態より4割多く表示されるとの調査も出ています。
- テレビで見られる長尺の動画を出しているチャンネル、とくに企業案件の実績を数字で示している運営者に直接関係します。

YouTubeがテレビの同時視聴を推計する新指標を追加
YouTubeが「Views (Co-Viewed)」という新しい指標を追加しました。
1台のテレビ画面を複数人で見ているとき、その人数をまとめて数えるための指標です。
日本語にすれば「同時視聴」といった意味になります。
発表したのは、YouTubeでクリエイターとの窓口を担うRene Ritchieさんです。
YouTube公式のCreator Insiderチャンネルの動画で説明しました。
テレビ画面では、1日あたり平均10億時間を超えるYouTubeが視聴されていて、友人や家族と一緒に見ることもよくあります。
これまでは、テレビ機器での再生はすべて1回の視聴として数えていました。
同時視聴は、テレビで見ている総人数を推計します。
単純計算で、1人が1時間見るとして10億人分の視聴にあたります。
リッチーさんは3人家族が一緒に見た場合を例に挙げ、これを3人として数えると説明しています。
ここが一番大事なところです。
YouTubeは「3人いる」と本当に把握しているわけではありません。
リッチーさん自身が「推計」という言葉を使っています。
ではどうやって推計しているのか。
その方法は動画の中で示されていません。
TubefilterがYouTubeに問い合わせたところ、返ってきたのはこの動画への案内だけで、質問への答えはありませんでした。
指標の扱いも確認しておきます。
共視聴は公開されません。
運営者のYouTubeアナリティクスのタブにだけ出る数字です。

案件交渉で使える「プラットフォーム公認」の数字
リッチーさんは、この指標の使い道をはっきり示しています。
企業案件の交渉で、テレビでのコンテンツの影響力と価値を伝える数字として使える、という説明です。
報告や提案の場面で、好きなタイミングで使えるとも述べています。
これはプラットフォームが裏付けた指標なので、テレビでのコンテンツの影響と価値を示すものとして、企業案件の交渉に使えます。
これは公開指標ではなく、交渉の場でブランド担当者に見せる数字です。
視聴者側には見えません。
再生回数の数え方変更と時期が重なっています
共視聴の発表は、再生回数の数え方の変更から数週間後のことでした。
YouTubeは動画の最初の1フレーム目で再生回数をカウントする方式に切り替えています。
このときの理由も「ブランドやスポンサーに、自分の本当の規模と価値を伝えやすくするため」というものでした。
その後、Agentioのデータで、最初のフレーム基準の再生回数は実際の視聴より平均40%多く表示されていることが分かっています。
公開されている回数だけを見て案件を結んだブランドは、平均で67%多く支払っていた計算になります。
表示が10なら実際に見られていたのは7回程度、支払いは本来100で済むところに167、という水準です。
いま、クリエイターとブランドの両方にとって最も信頼できる数字はEngaged Views(一定時間以上見られた再生)だとTubefilterは書いています。
共視聴と同じく運営者だけが見られる指標で、一定時間見続けたときに初めて1回として記録されます。
その線引きは30秒前後だという話が出ていますが、公式に示された数字ではありません。
日本での提供状況や、テレビ視聴の扱いについて、原文には書かれていません。
ブランドはYouTubeの指標を信用しなくなるのか
原文の筆者は、この2つの変更が重なったことで、ブランドがYouTubeの指標を信用しなくなる方向に向かわないかと見ています。
測定できるはずの動画の実績が見えにくくなるほど、クリエイターとの取引を避ける動きにつながりかねない、という指摘です。
これは原文の筆者の見方です。
YouTubeが推計の精度をどう担保しているのか、共視聴が案件の金額にどう跳ね返るのかは、原文の範囲では分かりません。
自分のチャンネルにどう影響するか
案件を1本でも受けたことがあるチャンネルなら、次に出す実績の数字をどう作るかが変わる話です。
- アナリティクスで共視聴がどこに表示されるかを先に見ておくと、ブランドからテレビでの見え方を聞かれたときに、その場で数字を出せます。
公開指標ではないので、こちらから出さない限り相手は知りません。 - 案件の報告に使う数字を、共視聴・公開の再生回数・有効な再生のどれにするか決めておくと、案件ごとに基準が入れ替わるのを防げます。
テレビで流される長尺の動画ほど、共視聴の数字は効きます。 - 報告の場では、推計値であることを自分から添えておくといいです。
あとから数字の根拠を聞かれたときに、説明が崩れません。

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