法務・判例

Meta Rights Manager悪用の著作権詐欺、投稿日時を遡りインドで提訴

  • Metaの著作権管理システムRights Managerが悪用され、投稿日時を偽装して他人の動画を権利主張する手口がインドで発覚しました。
  • この手口で正規クリエイターの動画が削除されたり収益化されたりし、アカウントにストライキが付くリスクがあります。
  • FacebookやInstagramで動画を公開しているチャンネル運営者全員が、自分の作品を守るための対策を考える必要があります。
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投稿日時を遡って権利主張する手口

Metaが提供するRights Managerは、FacebookとInstagramで著作権侵害を自動検出する仕組みです。
権利者が参照ファイルを登録しておくと、侵害コンテンツを検出し、削除や収益化ができます。

このシステムが、悪意のある第三者によって悪用されています。
問題の手口は、Facebookの投稿編集機能を使います。
投稿を編集して画像や動画を差し替えても、公開日時は元のまま残ります。
つまり、古い投稿に新しい動画を追加すると、その動画はまるで古いコンテンツのように見えてしまいます。

不正を行う側は、自分の古いページに他人の動画やリールを張り付け、Rights Managerでその動画の権利を主張します。
すると、元のクリエイターの動画は収益化されたり、アカウントに著作権ストライキが付いたりします。
被害者は削除までされ、収益機会を失います。

この問題を最初に指摘したのは、インドの金融教育系起業家Pushkar Raj Thakur氏です。
同氏は少なくとも36本の動画がこの方法で削除されたと主張しています。
Metaは権利者確認やメタデータ、編集履歴を調べないまま削除に応じた、というのが同氏の訴えです。

TorrentFreakの報道によると、Thakur氏はデリー高等裁判所に提訴し、約2クロール(約21万ドル)の損害賠償を求めています。
さらに、Rights ManagerにKYCチェックやタイムスタンプ保護、メタデータ検証を組み込むよう裁判所に命じるよう求めています。

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別の被害者も続き、裁判所がMetaにデータ提出を命令

Thakur氏だけではありません。
クリエイターのNeeraj Joshi氏も同じ手口の被害を訴えています。
この事件では、裁判所がMetaに対し、Joshi氏の認証済みInstagramアカウントを保存し、不正クレームに使われた加入者情報とIPログを3週間以内に提出するよう命じました。
この命令は2026年7月9日付で、8月5日には中間差し止めの審理が予定されています。
この記録から、背後にいる人物が特定される可能性があります。

さらに、2026年7月15日には、別のクリエイターNitin Joshi氏が公共の利益訴訟(PIL)を起こしました。
同氏は、ボットアカウントを通じて偽のストライキを打ち、取り下げと引き換えに金銭を要求する組織的な恐喝が存在するとし、特別調査チームの設置を求めています。
あわせて、Instagramの著作権ストライキの仕組みに対するフォレンジック監査と、繰り返し通報する側の透明性レポートを要求しています。

Metaの対応はまだ限定的

こうした訴訟に対し、Metaはまだ公式の回答を発表していません。
裁判でも実質的な反論は始まっていません。
また、著作権管理の透明性レポートは2023年分のまま、2年以上更新されておらず、批判の材料になっています。

Rights Manager自体は、これまで約10年にわたり大きな問題なく運用されてきたとされています。
しかし今回、投稿日時を改ざんするだけで、システムを逆手に取れることが明らかになりました。
インドの裁判所がどのような判断を下すかで、今後のプラットフォーム対策が変わってくるでしょう。

自分のチャンネルにどう影響するか

まず、自分が投稿した動画に心当たりのない著作権クレームが来ていないか、FacebookとInstagramのプロフェッショナルダッシュボードや著作権レポートを定期的に確認しましょう。
もし身に覚えのない削除があったら、この手口を疑う価値があります。

自分の動画を侵害から守るには、Rights Managerを使うのも手です。
ただし、Thakur氏はMetaにRights Managerへのアクセスを拒否されたと主張しています。
アカウントの信頼性を高め、認証済みの存在になることで、権利主張の際の信用を得やすくなります。

被害に遭った時のために、投稿の編集履歴や元データのメタデータを保存しておきましょう。
裁判所がMetaにログ提出を命じるケースが出ており、エビデンスが役立つ可能性があります。
また、プラットフォームの申し立てだけで解決しない場合は、法的手段も選択肢に入ります。

出典

  1. Copyright Scammers Weaponized Meta’s Rights Manager with Backdating ExploitTorrentFreak

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