収益化・規約

YouTube、視聴回数を再生開始時に変更しYPPの収益化要件も2倍に

  • YouTubeが8月に視聴回数カウントを変更し、2027年2月からYPP要件を長尺8,000時間・Shorts2,000万回に倍増
  • Shortsは90日ごとに1,000万回の下限が新設され、制作に時間がかかるほど収益維持が難しくなる
  • 短尺動画中心のクリエイター、新規参入者、ブランド・エージェントに影響。長尺勢には追い風

事実の整理

  • 視聴回数: 2026年8月24日から、動画の視聴回数を「再生が始まった瞬間」からカウントするよう変更。Shortsでは2025年から適用済みで、長尺動画でも統一される。従来の「数秒」の再生は「エンゲージドビュー」として分析画面に残る。
  • YPP収益化要件: 2027年2月から新規チャンネルの申請要件が引き上げられ、長尺動画の視聴時間が4,000時間から8,000時間へ、Shortsの視聴回数が1,000万回から2,000万回へ、それぞれ2倍になる。
  • Shortsのローリング基準: 90日ごとに1,000万回の視聴を維持できないと、その期間は収益が発生しない。再申請は不要で、基準を満たせば自動的に復帰する。

背景・経緯

今回の変更は、TikTokやInstagramと視聴回数の定義を揃え、プラットフォーム間での比較を容易にすることが狙いだ。これにより、クリエイターはクロスポストのインセンティブを得られ、ブランド側も指標の標準化が進むという。Digidayは、既存の長尺クリエイターへの影響は限定的で、長尺動画は引き続きプラットフォームの主役だと報じている。

一方、収益化のハードルは上がる。Shortsに依存するクリエイターは、90日ごとの視聴下限を維持する必要があり、高品質なショート動画の制作に時間がかかるほど収益が途絶えるリスクがある。アニメーターのJeff Bruno氏は「非現実的な要求だ」と述べ、長尺移行を検討する声も出ている。

小規模クリエイターにとっては、インフレートされた視聴回数がブランド案件獲得の「見た目の信用」につながる可能性がある。ただし、ブランド・エージェントは、エンゲージドビューなどの詳細指標を確認する必要がある。Mondo Metrics CEOのNick Cicero氏は「公表数字が良くなっても、実際の視聴者行動は変わらない」と警鐘を鳴らす。

自分のチャンネルにどう影響するか

  • 2027年2月の要件変更に向け、自社チャンネルの長尺の視聴時間とShortsの視聴回数を分析シートで確認し、現時点で基準を満たしているか、将来達成できるかを試算する。特にShortsは90日ごとのローリング基準を意識し、直近90日間の推移を定期的にチェックする。
  • Shorts中心で収益を得ている場合は、アップロード頻度の低下によって収益が途絶えるリスクがあるため、長尺動画への分散や、最初の数秒で「エンゲージドビュー」を獲得する工夫を進める。制作期間が長い高品質なショート動画は収益継続が難しくなるため、動画の設計を見直す。
  • ブランド案件の提案時やメディアキットの作成時は、公開視聴回数だけでなく、エンゲージドビューや平均再生時間など、成果に直結する指標を併記して提示する。契約形態も視聴回数連動ではなく、固定単価やエンゲージドビュー連動に切り替える交渉を検討する。

出典

  1. The winners and losers of YouTube’s view count and monetization overhaulDigiday

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